置き換えを利用する三角方程式の解き方
三角関数をうまく置換することで,通常の見慣れた方程式に直して解きます。その解から角度を求めることができます。
この時,置換した文字に範囲が付くことに注意が必要です。
例
cos2θ+2cosθ+1=0 ( 0≤θ<2π )
解答
cosθ=t と置く。ただし,−1≤t≤1 である。このとき
t2+2t+1(t+1)2t=0=0=−1
よって,cosθ=−1 より,
θ=π
相互関係を利用する三角方程式の解き方
三角関数の相互関係を用いて式を簡単にして,前節の置換できる形まで変形させる解法です。
相互関係は他の公式の導出にも頻出なので必ず覚えましょう。
三角関数の相互関係の導出について詳しく知りたい方は,以下の記事を参考にしてください。→三角関数の相互関係とその証明
例
cos2θ−sinθ+1=0 ( 0≤θ<2π )
解答
sin2θ+cos2θ=1より
(1−sin2θ)−sinθ+1sin2θ+sinθ−2=0=0
sinθ=t と置く。ただし,−1≤t≤1 である。このとき
t2+t−2(t−2)(t+1)=0=0
条件より,t=−1。よって
sinθ=−1
∴θ=23π
倍角の公式を利用する三角方程式の解き方
倍角の公式を利用して式を簡単にして,置き換えに持ち込む解法です。
倍角の公式は加法定理や相互関係を利用して導出できるので「覚える」or「覚えないけど導出できる」ようにしましょう。
三倍角の公式やその導出方法は以下を参考にしてください。→三倍角の公式:基礎からおもしろい発展形まで
例
cos2θ−3sinθ−2=0 ( 0≤θ<2π )
解答
倍角の公式より cos2θ=1−2sin2θ であるから,
cos2θ−3sinθ−2=0−2sin2θ−3sinθ−1=0
sinθ=t と置く。ただし,−1≤t≤1 である。このとき,
2t2+3t+1(2t+1)(t+1)=0=0
∴t=−21,−1
sinθ=−21,−1 より
θ=67π,611π,23π
合成を利用する三角方程式の解法
三角関数の合成公式は,sin と cos が混ざった式をどちらかのみの式で表すための公式です。
asinθ+bcosθ=a2+b2sin(θ+α)
導出方法や cos のみにするための公式は以下を参考にしてください。→三角関数の合成のやり方・証明・応用
例
sin2θ−cos2θ=1 ( 0≤θ<2π )
解答
三角関数の合成公式より与式は
2sin(2θ−4π)sin(2θ−4π)=1=21
ここで条件より,−4π≤2θ−4π<415πなので
2θ−4π2θ∴θ=4π,43π,49π,411π=2π,π,25π,3π=4π,2π,45π,23π