(X1,⋯,Xn)
がパラメータ
(α1,⋯,αn)
のディリクレ分布に従うとき,
平均:
E[Xi]=ααi
分散:
Var[Xi]=α2(α+1)αi(α−αi)
共分散:
Cov(Xi,Xj)=α2(α+1)−αiαj
いずれもさきほどの「積分公式」を使えば簡単に導出できます。表記簡略化のため,i=1,j=2
について証明します(一般の
i,j
についても全く同様)。
証明(平均)
E[X1]=∫x1f(x1,⋯,xn)dx1…dxn−1
なので「積分公式」において
α1→α1+1
とすれば,
E[X1]=CΓ(α+1)Γ(α1+1)Γ(α2)⋯Γ(αn)=Γ(α+1)Γ(α1)Γ(α)Γ(α1+1)=αα1
ただし,最後の変形でガンマ関数の公式:
Γ(α+1)=αΓ(α)
を用いた。
証明(分散)
平均とほぼ同じ計算。
α1→α1+2
として「積分公式」を使う。
Var[X1]=E[X12]−E[X1]2=α(α+1)α1(α1+1)−α2α12=α2(α+1)α1(α−α1)
証明(共分散)
こちらもほぼ同じ計算。
α1→α1+1,α2→α2+1
として「積分公式」を使う。
Cov(X1,X2)=E[X1X2]−E[X1]E[X2]=α(α+1)α1α2−α2α1α2=α2(α+1)−α1α2
ディリクレ分布の正規化はぜひヤコビアンの計算も含めてやってみてください,感動します!
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