和の法則と積の法則(場合の数)と例題

場合の数を数える基本的な考え方「和の法則」「積の法則」について解説します。

和の法則の意味と例題

和の法則

2つの事象 A,BA,B が同時には起こらないとする。AA の起こり方が mm 通り,BB の起こり方が nn 通りあるとき,AA または BB の起こり方は m+nm+n 通りである。

例題1

コインを 33 回投げて表が 22 回以上出る場合の数を求めよ。

和の法則を使った解答

AA22 回表が出る

BB33 回表が出る

とすると AA が起きる場合の数は「表表裏」「表裏表」「裏表表」の 33 通り,BB が起きる場合の数は「表表表」である。よって,和の法則より AA または BB が起きる場合の数は 3+1=43+1=4 通りである。

別解

表が 22 回以上出る場合の数を xx ,裏が 22 回以上出る場合の数を yy とおくと,対称性より x=yx=y である。また,全ての場合の数は 23=82^3=8 通りなので x+y=8x+y=8 である。以上より x=4x=4

積の法則の意味と例題

積の法則

AA の起こり方が mm 通り,そのおのおのに対して BB の起こり方が nn 通りあるとき,AABB が両方起こる場合の数は m×nm\times n 通りである。

例題2

大小 22 個のサイコロを同時に投げるとき,出目の和が偶数になる場合の数を求めよ。

積の法則を使った解答

大きいサイコロの出目は全部で 66 通り。そのおのおのに対して出目の和が偶数になるような小さいサイコロの出目は 33 通りである。よって積の法則より求める場合の数は 6×3=186\times 3=18 通り。

別解

対称性より出目の和が奇数になる場合の数と偶数になる場合の数は同じである。また,二つのサイコロの出目は全部で 6×6=366\times 6=36 通りである。以上より 36÷2=1836\div 2=18 通り。

和の法則と積の法則は覚えなくてよい

和の法則と積の法則は「法則」というと仰々しいですが,どちらも当たり前の事実ですね。「和の法則」「積の法則」という言葉は覚える必要はありません,理解できればOKです。二つの法則を混同する人が多いのでご注意ください。

数学がそれなりにできる人は以下のように感じると思います。そういう人は「和の法則」「積の法則」自体忘れてOKです。

  • 何を当たり前なことを言ってるんだ
  • こんなの覚えなくても問題に応じて場合の数を数えようとすれば,足せばよいかかければよいかは普通に分かる
  • 和の法則と積の法則は全く違うもの,並列に取り扱うこと自体に違和感がある

場合の数,確率は高校数学の中で数学的センスの差が出やすい分野だと思います。

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