順列と組合せの違いと例題

順列・組合せの意味と練習問題です。

順列(パーミュテーション)の意味

例題1

33 枚の異なるカード A,B,C から 22 枚選んで並べるときのパターンの数(場合の数)を求めよ。

解答

頑張って数えると,AB,AC,BA,BC,CA,CB の 66 通り(例えば,ABとBAは別のパターンです)。

  • このように,mm 個のものから nn 個を選んで並べたものを順列と言います。

順列の公式

  • mm 個のものから nn 個並べる順列の総数を mPn{}_m\mathrm{P}_n と書きます。

  • P\mathrm{P} は順列の英語(Permutation)の頭文字です。

  • 実は,以下の公式が成立します。

順列の個数の公式

mPn=m(m1)(mn+1){}_m\mathrm{P}_n=m(m-1)\cdots (m-n+1)

mm から順々に1減らしながら nn 個の整数のかけ算をする)

  • 例えば,さきほどの例題1では「3個から2個選んで並べる」ので m=3,n=2m=3,n=2 です。上の公式の右辺は 3×2=63\times 2=6 となります。

  • 他にも m=7,n=3m=7,n=3 の場合 7P3=7×6×5=210{}_7\mathrm{P}_3=7\times 6\times 5=210 のように計算できます。

順列の個数の公式の証明

一般に,「mm 個から nn 個選んで並べる」とき,

  • 1つ目の選び方が mm 通り,
  • 2つめの選び方が m1m-1 通り,
  • \vdots
  • nn 個めの選び方が mn+1m-n+1 通りなので,

mPn=m(m1)(mn+1){}_m\mathrm{P}_n=m(m-1)\cdots (m-n+1)

さらに,階乗 m!=m×(m1)××2×1m!=m\times (m-1)\times\cdots\times 2\times 1 を使って公式を書き換えると,mPn=m(m1)(mn+1)=m!(mn)!{}_m\mathrm{P}_n=m(m-1)\cdots (m-n+1)=\dfrac{m!}{(m-n)!} となります。

組合せ(コンビネーション)の意味

例題2

33 枚の異なるカード A,B,C から 22 枚選ぶ場合の数を求めよ。

解答

頑張って数えると,{A,B}\{\mathrm{A,B}\}{A,C}\{\mathrm{A,C}\}{B,C}\{\mathrm{B,C}\}33 通り({A,B}\{\mathrm{A,B}\}{B,A}\{\mathrm{B,A}\} は同じパターンです)。

  • このように,mm 個のものから nn 個を選んだものを組合せと言います。

  • 順列と組合せの違いは以下です:

    • 順列:「選んで並べる」「ABとBA を区別してそれぞれ数える」
    • 組合せ:「選ぶだけで並べない」「ABとBAは区別せず同じもの」

組合せの公式

  • mm 個のものから nn 個選ぶ組合せの総数を mCn{}_m\mathrm{C}_n と書きます。

  • C\mathrm{C} は組合せの英語(Combination)の頭文字です。

  • 実は,以下の公式が成立します。

組合せの個数の公式

mCn=mPnn!=m!n!(mn)!{}_m\mathrm{C}_n=\dfrac{{}_m\mathrm{P}_n}{n!}=\dfrac{m!}{n!(m-n)!}

  • 例えば,さきほどの例題1では「3個から2個選ぶ」ので m=3,n=2m=3,n=2 です。上の公式の右辺は 3!2!(32)!=62×1=3\dfrac{3!}{2!(3-2)!}=\dfrac{6}{2\times 1}=3 となります。
組合せの個数の公式の説明

一般に,mCn{}_m\mathrm{C}_n について(順列で数えると n!n! 回ずつ同じものを重複してカウントしているので),

mCn=mPnn!{}_m\mathrm{C}_n=\dfrac{{}_m\mathrm{P}_n}{n!}

さらに,mPn=m!(mn)!{}_m\mathrm{P}_n=\dfrac{m!}{(m-n)!} を代入すると,

mCn=mPnn!=m!n!(mn)!{}_m\mathrm{C}_n=\dfrac{{}_m\mathrm{P}_n}{n!}=\dfrac{m!}{n!(m-n)!}

練習問題

順列と組合せの問題を混ぜました。順列と組合せの違い

  • 順列:「選んで並べる」「ABとBA を区別してそれぞれ数える」
  • 組合せ:「選ぶだけで並べない」「ABとBAは区別せず同じもの」

に注意しながら,考えてみてください。

例題3

(1) 55 人の中から 22 人代表を選ぶ方法の数を求めよ。

(2) 55 人の中からリーダーと副リーダーを選ぶ方法の数を求めよ。

(3) 33 桁の正の整数で各桁の数字が 00 でなくて全て異なるものはいくつあるか。

(4) 4747 都道府県から 55 つ選ぶ場合の数はいくつあるか。

解答

(1) 順番を区別しないので組合せで,5C2=10{}_5\mathrm{C}_2=10 通り。

(2) リーダーと副リーダーは別物なので順列で,5P2=20{}_5\mathrm{P}_2=20 通り。

(3) 例えば 123123321321 は別物なので順列で,9P3=504{}_9\mathrm{P}_3=504 通り。

(4) 順番を区別しないので組合せで,47C5=1533939{}_{47}\mathrm{C}_5=1533939 通り。

区別する・しない,に関する発展的な話題として,写像12相もどうぞ。

分かる人はすぐ分かるけど,分からない人は長い間つまずく話題です。

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