秘書問題(お見合い問題)とその解法
もし人生で 人の異性と付き合うことが分かっていて が十分大きいなら,最初の 人とは別れてその後で「今までで一番いい人」がいたら結婚するべきである。
秘書問題とは
秘書問題とは
お見合い問題,結婚問題,最良選択問題などと言うこともあります。お見合いで説明します。現実的でない仮定もありますがご容赦ください。
- 人と順番にお見合いする。
- お見合いした瞬間に交際するかしないか決めないといけない。
- 交際を申し込めば相手はOKしてくれる。
- 交際をスタートしたら他の人とは二度とお見合いはできない。
- 一回断った人とは二度と交際できない。
- 人の中で一番タイプな人と交際できる確率を最大にしたい。
どういう戦略を取ればよいか?
秘書問題の最適戦略
秘書問題の最適戦略
人目まで無条件で断り, 人目以降で「今までで一番いい人」が現れたら交際する,というタイプの戦略(戦略 と呼ぶ)を取ることにします。直感的に自然な戦略です。 をどのように定めればよいかを考えます。
が十分大きいとき,(の近く)が最適。このとき, 人の中で一番タイプな人と交際できる確率は約 %。
ネイピア数 が登場するのが面白いですね。
人目に一番好きな人がいる確率は ,このとき戦略 で 人目の人を選べる確率は,
のとき
のとき (「最初の 人の中で一番好きな人」が先頭 人の中にいないと,その人と交際してしまい「全体の中で一番好きな人」までたどりつかない)
よって,成功する確率は
これを最大にする を求めればよい。 が十分大きいとき
なので(→注), を最大にする を求めればよい。
で微分すると より で最大。つまり のとき最大でそのときの成功確率は
注: が十分大きいとき であることは覚えておきましょう。→調和級数1+1/2+1/3…が発散することの証明
例えば のグラフを描くことで が分かります。
考察,補足
考察,補足
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今回は「 人の中で一番タイプな人と交際できる確率を最大化する」という最良選択問題を考えました。一方「交際する人の順位の期待値を最小化する」という順位最小化問題も考えられます。順位最小化問題の方が現実的な気がしますが,最適停止問題の方が解析が簡単で結果も美しいので有名です。
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がどんなに大きくても %くらいの確率で一番好きな人と交際できるというのは驚きです。
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現実はこんなに単純ではありません。人の性格や好みは時間変化します。タイプじゃなかったけど長年付き合ってみると好きになった,嫌いになったなんてこともあるでしょう。
なお, が小さい人にはこの理論は通用しません。
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