冒頭の公式を3段階に分けて証明します。3つの道具を知っていれば簡単です!
1.周長をとりあえず積分で書き下す。
使う道具:弧長積分の公式
まず,楕円を
x=acosθ,y=bsinθ
と媒介変数表示する。
弧長積分の公式より
L=4∫02π(−asinθ)2+(bcosθ)2dθ=4a∫02πsin2θ+a2b2cos2θdθ=4a∫02π1−ϵ2cos2θdθ
これは(第二種)楕円積分と呼ばれるもので,一発で計算することはできません。→楕円積分の意味と身近な4つの例
2.ルートを級数展開する。
使う道具:一般化二項定理とルートなどの近似
一般化二項定理を用いて被積分関数を展開する:
1−ϵ2cos2θ=t=0∑∞(−1)t21Ctϵ2tcos2tθ
ただし,
21Ct=t!21(21−1)⋯(21−t+1)=2tt!(−1)(−3)⋯(−2t+3)=(−1)t−1(2t)!!(2t−3)!!=2t−1(−1)t−1ct
以上より,L=4a∫02πt=0∑∞2t−1(−1)ctϵ2tcos2tθdθ
ここで,積分とシグマを交換する(厳密には一様収束→項別積分可能を使う):
L=−4at=0∑∞2t−1ctϵ2t∫02πcos2tθdθ
3. cos2t を積分する。
使う道具:sinのn乗,cosのn乗の積分公式
cos
の
n
乗の積分公式より
∫02πcos2tθdθ=2πct
となる。
よって,L=2πat=0∑∞ct21−2tϵ2t