アクチュアリー試験数学の範囲と勉強法
アクチュアリー1次試験「数学」の大雑把な範囲と勉強法について紹介します。
アクチュアリー試験の出題範囲は大きく分けて確率・統計・モデリングの三分野です。
大雑把な勉強の流れ
大雑把な勉強の流れ
おすすめの勉強法です。
段階1:前提知識(高校数学,線形代数,微積分)を理解
段階2:確率・統計分野の大雑把な理解(教科書を読む)
段階3:モデリングの教科書をざっと読む
段階4:過去問をとにかく解く,解けなかったところを確認する
・段階1,2について→後述します。
・段階3について:
モデリングは範囲が広い&比重はそこまで大きくないので,段階3を完了する前に段階4に手を出すのもありです。なお,モデリングの範囲は数学的モデリングまとめを参照して下さい。
・段階4について:
とにかく過去問が絶対です。ここにできるだけ多くの時間を使ってください。早めに過去問にとりかかった上で自分に何が足りないのかを把握し,大雑把だった理解を少しずつ固めていくというのがオススメです。
前提知識(段階1)
前提知識(段階1)
アクチュアリー試験を突破するには確率・統計の勉強以前に基本的な数学の知識が必要です。
・高校数学
高校数学の知識のみで解ける問題もけっこうあります。高校数学(特に確率,場合の数,データの分析,数列,微分積分)をしっかりと理解していることが前提となります。
・基本的な線形代数
理系学部の場合,大学1年で習います。具体的には,マルコフ連鎖や重回帰分析に関連した問題が出題されると必要になります(抽象的な線形代数というより簡単な行列計算レベル)。ただ,線形代数を全く知らなくても多くの年ではほとんど影響ない気がします。
・基本的な微積分
こちらも理系学部の場合,大学1年で習います。線形代数と異なり合格のために必須です(というより,微積分を理解しないと確率,統計分野の勉強が進まない)。抽象的な解析学というより簡単な微分積分の計算ができればOKというレベルです。
確率・統計の理解(段階2)
確率・統計の理解(段階2)
アクチュアリー会が指定している教科書が無難ですが,確率・統計の基本的な知識が身につけば何でもOKです(教科書はたくさんあります)。
とりあえず大雑把な理解でよいのでとにかく段階2は早めに突破しましょう。
なお,詳しい範囲はアクチュアリー会のホームページに載っていますが,以下の理解で十分でしょう。
大雑把な範囲
高校数学における「確率」「データの分析」に加えて,
- 確率密度関数,分布関数の意味,計算
- 平均,分散,モーメント母関数,特性関数の計算
- 大数の法則,中心極限定理
- 推定,検定の意味
- 推定,検定のいろいろな手法
- 最小二乗法の回帰係数の推定,検定
(当サイトの記事は段階2で役立つと思います!)
合格に必要な勉強時間は人による
合格に必要な勉強時間は人による
理系の多くの人は段階1(前提知識)がパスできます。段階2(確率・統計の基礎知識)までパスできる人もいるでしょう。人によってやるべきことの量が違うのです。
また,数学力も人によってかなり異なります。そのため, 合格に必要な勉強時間を考えるのは意味がない気がします。
2週間くらいの勉強(モデリングは手薄になるが)で合格する人もいますし,何年も落ちる人もいます。
試験の点数を上げるための具体的な方法8つもぜひご参照ください。
数学が一次試験の5科目の中で一番簡単と言う人も多いですし,一番難しいという人も多いです。