公式を丸暗記すべきかそのつど導出すべきか
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公式を丸暗記するのか,毎回導出するのか,について私の考えを整理してみます。
- 具体例として三角関数の三倍角の公式 を扱います。
- 最後に結論を書いています。全部読むのがめんどうでしたら,最後の部分だけ読んでみてください。
- このページの内容は,私の経験と知識と少しの偏見に基づく内容です,納得できた部分のみ取り入れていただければ幸いです。
公式を丸暗記する
公式を丸暗記する
まず,公式・数式の意味を考えずに丸暗記して,機械的に処理することについて考えます。公式の丸暗記は教育現場で嫌われがちだと思います。意味を考えないと応用問題に対応できないから,最低限の公式以外丸暗記はよくないと思われがちです。
ですが,丸暗記にも以下のようなメリットがあります。
丸暗記のメリット
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A1:時間短縮になる
複雑な公式になればなるほど,丸暗記するメリットは大きくなります。例えば,三倍角の公式は慣れても導出に30秒くらいはかかるでしょう。その30秒が大事かどうかは状況によります。 -
A2:数学公式の丸暗記はコスパがよい
英語や日本史などの文系科目に比べて,数学は暗記事項が少ないです。 日本史の用語を100個覚えても点数アップへの貢献は微々たるものですが,数学の公式を100個覚えれば相当な効果があるでしょう。 -
A3:見通しが良くなる
公式を丸暗記していると,その1手先まで考えることができます。例えば3倍角の公式を丸暗記していると, が を因数として持つことが瞬時に分かり,問題が解けたりします。このメリットはあまり意識されていませんが,思考の幅が広がるので一番重要だと思います。
意味を考えてそのつど導出する
意味を考えてそのつど導出する
次に,公式の導出方法をなんとなく覚えておいて使うときに毎回導出することについて考えます。
三倍角の公式の場合だと「 だから,加法定理を用いることで三倍角の公式を導出できる」と覚える感じです。
「毎回導出」のメリット
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B1:応用問題にも対応できる
例えば,三倍角の公式を丸暗記しているだけでは四倍角の公式は導出できませんが,導出方法を覚えていれば四倍角にも対応できるでしょう。 -
B2:そのつど導出していると計算に慣れる
公式の導出・証明には,より基本的な公式や手法を用いることが多いので,公式の導出自体が訓練になります。例えば三倍角の公式を導く途中で三角関数の加法定理を使うので,加法定理にも慣れることができます。 -
B3:公式を覚える量が減るから楽
丸暗記だと,係数の符号など記憶があいまいな部分があった際に不安になりますが,「毎回導出」なら記憶があいまいでも,その場で導出してしまえば公式の正しさが確認できるので安心できます。
結論:いいとこ取りを狙う
結論:いいとこ取りを狙う
丸暗記と毎回導出のメリットを見てきましたが,実戦では両方のいいとこ取りをすればよいと思います。どちらか一方ではなく両方やればよいと思います。特に,A3:「見通しが良くなる」,B1:「応用問題に対応できる」が非常に重要です。
基本的には「毎回導出」できるように,つまり全ての公式の導出方法を理解して素早く導出できるようになるのが前提で,その後「丸暗記」も軽視せずに出来る限り公式をインプットしていくというのがオススメの戦法です。
その際,導出に時間がかかる公式から丸暗記するのがよいです。
「公式を丸暗記するのはよくない」とか「時間短縮のために全部の公式を完璧に覚える」とか極端にどちらかに偏るのは危険だと思います。
丸暗記もしてるしすぐに導ける2刀流になろう。