正規分布の標準化の意味と証明
が「平均 ,分散 の正規分布」に従うとき,
は「平均 ,分散 の正規分布」に従う。
正規分布の標準化について,例と証明をわかりやすく説明します。
正規分布の標準化の例
正規分布の標準化の例
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平均 ,分散 の正規分布は標準正規分布と呼ばれます。
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どんな正規分布も, という変換で,標準正規分布に変換できます。この変換を標準化と言います。
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標準正規分布に変換できれば,以下のように が 以上 以下になる確率が計算できるので嬉しいです。
が平均 ,分散 の正規分布に従うとき, が 以上 以下となる確率を求めよ。ただし,標準正規分布表は与えられているとする。
, であり,正規分布の標準化をすると, が標準正規分布に従う。
また,
なので,求める確率は
これは標準正規分布表を使うと, くらいであることがわかる。
全ての正規分布に対して表を用意しておかなくても,標準正規分布表だけ用意すればよいというわけです!なお,正規分布についての簡単な知識は正規分布の基礎的なことをどうぞ。
標準化について
標準化について
の平均が で分散が になることは,期待値と分散の公式を知っていれば簡単に確認できます。
- つまり,正規分布でなくても, という変換(標準化)で平均を に,分散を にできます。
- さらに, が正規分布に従うなら も正規分布に従う,というのがポイントです。後ほど証明します。
正規分布の標準化の証明
正規分布の標準化の証明
それでは,正規分布の標準化が正しいことを証明します。より一般に,以下の定理を証明します。
が正規分布に従うとき, も正規分布に従う。
(ただし は任意の実数で )
の平均を ,分散を とすると, の平均は ,分散は になります。さきほどと同じように確認できます。
この定理において とすると標準化の式になります。
定理の証明1:確率密度関数を用いる素直な方法
確率密度関数の変数変換を使います。
のとき,確率密度関数は
目標は, の従う確率密度関数 を求めること。
そこで, と変数変換すると, なので
これは平均 ,分散 の正規分布の確率密度関数である。
正規分布の特性関数を使います。
の特性関数は,
よって, の特性関数は,
これは,平均 ,分散 の正規分布の特性関数である。
私は特性関数を使った証明が好きです。
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