【解答・解説】東大理系数学2026 第2問

東大理系数学2026 第2問

nn を正の整数とする。座標平面上の 3n3n 個の点がなす集合 {(x, y)x, y は 1x3, 1yn を満たす整数} \{ (x,\ y) \mid x,\ y \ \text{は} \ 1 \leqq x \leqq 3, \ 1 \leqq y \leqq n \ \text{を満たす整数} \} から相異なる3点を選ぶ。ただし,どの3点も等確率で選ばれるものとする。選んだ3点が三角形の3頂点となる確率を pnp_n とする。

  1. p5p_5 を求めよ。
  2. mm22 以上の整数とする。p2mp_{2m} を求めよ。

この記事では東大理系数学2026 第2問を解説します。

解答・解説

(1)

さすがに余事象を考えたいところです。

(1)

3点を A1(x1, y1)\mathrm{A}_1 (x_1, \ y_1)A2(x2, y2)\mathrm{A}_2 (x_2, \ y_2)A3(x3, y3)\mathrm{A}_3 (x_3, \ y_3) とおく。ただし x1x2x3x_1 \leqq x_2 \leqq x_3 とする。

3点の取り方は全部で 15C3{}_{15} \mathrm{C}_3 である。

以下,余事象を考えるために3点が三角形の3頂点とならない組み合わせを求める。

  • x1=x2=x3x_1 = x_2 = x_3 のとき
    x1x_1 の選びかたは 33 通り,y1, y2, y3y_1, \ y_2, \ y_3 の選び方は 5C3=10{}_5 \mathrm{C}_3 = 10 通りで,合計 3030 通り。

  • x1, x2, x3x_1,\ x_2,\ x_3 のうち2個が一致し,残りが一致しない場合
    この場合,常に3点は三角形をなすため 00 通り。

  • x1, x2, x3x_1,\ x_2, \ x_3 がすべて異なるとき
    x1x2x3x_1 \leqq x_2 \leqq x_3 と定めていたため, x1=1, x2=2, x3=3 x_1 = 1, \ x_2 = 2,\ x_3 = 3 となる。このとき,整数 kk により A1(1, y1)\mathrm{A}_1 (1,\ y_1)A2(2, y1+k)\mathrm{A}_2 (2,\ y_1 + k)A3(3, y1+2k)\mathrm{A}_3 (3,\ y_1+2k) と表される。 1y15, 1y1+2k5 1 \leqq y_1 \leqq 5,\ 1 \leqq y_1 + 2k \leqq 5 であるため,これを満たす (y1, k)(y_1, \ k)(y1, a)= (1, 0), (1, 1), (1, 2),(2, 0), (2, 1),(3,1), (3, 0), (3, 1),(4,1), (4, 0)(5,1), (5,2), (5, 0)\begin{aligned} &(y_1, \ a)\\ = \ &(1,\ 0),\ (1,\ 1),\ (1,\ 2),\\ &(2,\ 0),\ (2,\ 1),\\ &(3, -1),\ (3,\ 0),\ (3,\ 1),\\ &(4,-1), \ (4, \ 0)\\ &(5,-1),\ (5,-2),\ (5,\ 0) \end{aligned}1313 通りである。

以上より p5=14315C3=143455=412455 p_5 = 1 -\dfrac{43}{{}_{15} \mathrm{C}_3} = 1 - \dfrac{43}{455} = \dfrac{412}{455} である。

(2)

(1) 同様に解きましょう。

(2)

3点を A1(x1, y1)\mathrm{A}_1 (x_1, \ y_1)A2(x2, y2)\mathrm{A}_2 (x_2, \ y_2)A3(x3, y3)\mathrm{A}_3 (x_3, \ y_3) とおく。ただし x1x2x3x_1 \leqq x_2 \leqq x_3 とする。

3点の取り方は全部で 6mC3{}_{6m} \mathrm{C}_3 である。

以下,余事象を考えるために3点が三角形の3頂点とはならない組み合わせを求める。

  • x1=x2=x3x_1 = x_2 = x_3 のとき
    x1x_1 の選びかたは 33 通り,y1, y2, y3y_1, \ y_2, \ y_3 の選び方は 2mC3{}_{2m} \mathrm{C}_3 通りで,合計 3×2mC3=3×16×2m(2m1)(2m2)=2m(2m1)(m1)\begin{aligned} &3 \times {}_{2m} \mathrm{C}_3 \\ &= 3 \times \dfrac{1}{6} \times 2m (2m-1)(2m-2)\\ &= 2m(2m-1)(m-1) \end{aligned} 通り。

  • x1, x2, x3x_1,\ x_2,\ x_3 のうち2個が一致し,残りが一致しない場合
    この場合,常に3点は三角形をなすため 00 通り。

  • x1, x2, x3x_1,\ x_2, \ x_3 がすべて異なるとき
    (1) 同様に,整数 kk により A1(1, y1)\mathrm{A}_1 (1,\ y_1)A2(2, y1+k)\mathrm{A}_2 (2,\ y_1 + k)A3(3, y1+2k)\mathrm{A}_3 (3,\ y_1+2k) と表される。 1y12m, 1y1+2k2m 1 \leqq y_1 \leqq 2m,\ 1 \leqq y_1 + 2k \leqq 2m であるため,これを満たす (y1, k)(y_1, \ k) の個数を求めればよい。
    以下,kk を固定して,条件を満たす y1y_1 の個数を数える。
    k>0k > 0 のとき,1y12m2k1 \leqq y_1 \leqq 2m-2k であるため,条件を満たす y1y_1 の個数は {2m2k(k<m)0(km) \begin{cases} 2m-2k &(k < m)\\ 0 &(k \geqq m) \end{cases} である。
    k=0k=0 のとき,y1y_1 の条件は 1y12m1 \leqq y_1 \leqq 2m であるため,条件を満たす y1y_12m2m 個存在する。
    k<0k < 0 のとき,12ky12m1-2k \leqq y_1 \leqq 2m であるため,条件を満たす y1y_1 の個数は {2m+2k(k>m)0(km) \begin{cases} 2m+2k &(k > -m)\\ 0 &(k \leqq -m) \end{cases} である。
    以上より条件を満たす (y1, k)(y_1, \ k) の総数は 2m+k=1m1(2m2k)+k=1m+1(2m+2k)=2m+2k=1m1(2m2k)=2m+2k=1m12k=2m+2m(m1)=2m2\begin{aligned} &2m + \sum_{k=1}^{m-1} (2m-2k) + \sum_{k=-1}^{-m+1} (2m+2k)\\ &= 2m + 2 \sum_{k=1}^{m-1} (2m-2k)\\ &= 2m + 2 \sum_{k'=1}^{m-1} 2k'\\ &= 2m + 2m(m-1)\\ &= 2m^2 \end{aligned} である。

以上より,求める値は p2m=12m(2m1)(m1)+2m22mC3=16(4m34m2+2m)6m(6m1)(6m2)=12m22m+1(6m1)(3m1)=18m29m+1(2m22m+1)(6m1)(3m1)=m(16m7)(6m1)(3m1)\begin{aligned} p_{2m} &= 1 - \dfrac{2m(2m-1)(m-1)+2m^2}{{}_{2m} \mathrm{C}_3}\\ &= 1 - \dfrac{6 \cdot (4m^3-4m^2+2m)}{6m(6m-1)(6m-2)}\\ &= 1- \dfrac{2m^2-2m+1}{(6m-1)(3m-1)}\\ &= \dfrac{18m^2 - 9 m + 1 - (2m^2-2m+1)}{(6m-1)(3m-1)}\\ &= \dfrac{m(16m-7)}{(6m-1)(3m-1)} \end{aligned} である。

億劫になる計算ですが,今回のセットでは唯一の休憩地帯でした。厳しいです。