正整数 n に対して n の約数の個数を d(n) で表す。
(1)
約数を考えるときはまず素因数分解です。
素因数ごとに 3 で割った余りを考えることで計算を進めましょう。
今回は 2800 が 3 で割り切れないため,f(2800)+g(2800)=d(2800) です。そのため f と g の片方だけ計算すればOKです。
(1)
2800=24⋅52⋅7 である。よって約数の個数は 5×3×2=30 個である。
2, 5 は 3 で割って 2 余り,7 は 3 で割って 1 余る。
3 で割って 2 余る数同士を掛けた数を再び 3 で割ると余りは 1 である。
よって,2800 の約数のうち 3 で割って 1 余る数を素因数分解すると次の2パターンになる。
- 2, 5 の指数がどちらも偶数,7 の指数は自由
- 2, 5 の指数がどちらも奇数,7 の指数は自由
それぞれ数えると
- 2, 5 の指数がどちらも偶数:2 の指数としてあり得るのは 0, 2, 4,5 の指数としてあり得るのは 0, 2 であるため,3×2×2=12 通り.
- 2, 5 の指数がどちらも奇数:2 の指数としてあり得るのは 1, 3,5 の指数としてあり得るのは 1 であるため,2×1×2=4 通り.
よって,f(2800)=16 である。
2800 は3の倍数ではないため,すべての約数は 3 で割って 1 余るか 2 余るかのどちらかになる。ゆえに g(2800)=30−f(2800)=14 である。
(2)
非常に難しいです。
まず 3で割って2余る素因数の指数をすべて足したとき,偶数であれば3で割ったとき1余る ことを押さえておきましょう。
例を考えてみましょう。23⋅52 の約数を並べてみます。
151522121⋅5121⋅522222⋅5122⋅522323⋅5123⋅52
このうち 3 で割って 2 余るものだけを取り出すとこのようになります。
512121⋅5222⋅512323⋅52
この表から全体を右にずらす(これ以上右にいけない場合は一周させる)と,3 で割って 2 余る数は,3 で割って 1 余る数になります。しかも同じ数に移る数はありませんので,3 で割って 2 余る数に対応する 3 で割って 1 余る数が必ず1つ存在することが分かり,g(n)≦f(n) であることが分かります。
逆にずらすこともできるので,この場合は f(n)=g(n) となります。
一方,24⋅52 の場合はどうでしょうか?
約数は
151522121⋅5121⋅522222⋅5122⋅522323⋅5123⋅522424⋅5124⋅52
で,特に 3 で割って 2 余るものは次のようになります。
512121⋅5222⋅512323⋅5224⋅51
同じように右にずらしても 24⋅51 が 51 にぶつかってうまくいきませんね。
この違いは 2 の指数が奇数であったことにあります。
前回,これ以上右に行けない場合に一周させると,2 の指数が 3 から 0 に変わり,指数の偶奇が変わっていました。
今回は,2 の指数は 4 から 0 に変わります。これでは偶数→偶数のままで,3 で割った余りは変わりません。
一見すると行き詰まったように見えますが,今回は,23 が 24 に移ることで 52 が空席のままです。そのため,24⋅51 は 1 に移ってもらうことにすると,前のとき同様に g(n)≦f(n) だと言えそうです。
それでもなお 0 は空席のままですから,n=24⋅52 の場合は f(n)=g(n)+1 となります。
n の約数のうち 3 で割って 1 余る素因数の積を n′ とおくと,空席として 1 の他に n′ の約数も現れます。そのため f(n)=g(n)+d(n′) となりますね。実際に (1) の場合を考えると n′=7 で d(n′)=2 ですから
f(2800)=16=14+2=g(2800)+d(7)
となっています。
∗∗∗
上の観察を議論に落とし込むためには,3 で割って 2 余る素因数が必要です。そのため,そうではないケース,つまり g(n)=0 という場合を考えておきましょう。
(2) ステップ1
1 は n の約数であって 3 で割って 1 余る数であるため,f(n)≧1 より f(n)>g(n) である。
それではさきほどの観察を厳密に示します。
まずは指数が奇数である数が存在する場合を議論します。
(2) ステップ2-1
- g(n)=N>0 のとき
3 で割って 1 余る数同士を掛けたとき,その数を 3 で割った余りは 1 である。よって,n の素因数には 3 で割って 2 余るものが必ず存在する。それらを p1, p2, ⋯, pk とおく。
このとき素因数分解すると
n=p1a1⋅p2a2⋅⋯⋅pkak⋅3A⋅(残り)
となるよう正整数 a1, a2, ⋯,ak をおく。
n の約数 m を素因数分解すると
m=p1b1⋅p2b2⋅⋯⋅pkbk⋅(残り)
と表されたとする。
b1+b2+⋯+bk が偶数のとき m を 3 で割った余りが 1 になり,b1+b2+⋯+bk が奇数のとき m を 3 で割った余りが 2 になる。
- a1, a2, ⋯,ak のなかに奇数が存在する場合
奇数であるものを al とおく。
h(m) を
h(m)={plmpl−blm(al>bl)(al=bl)
と定める。
このとき,m を 3 で割った余りが 2 であるとき,h(m) を 3 で割った余りは 1 である。実際に示す。
-
al>bl の場合:3 で割って 2 余る数同士を掛けているため,h(m) を 3 で割った余りは 1 になる。
-
al=bl の場合:h(m) を素因数分解すると
p1b1⋅p2b2⋅⋯⋅pl−1bl−1⋅pl+1bl+1⋅⋯⋅pkbk⋅(残り)
となる。
前述した通り,b1+b2+⋯+bk は奇数である。また,bl=al が奇数であるため,h(m) の(3 で割って 2 余る素因数の)指数を足した b1+b2+⋯+bl−1+bl+1+⋯+bk は偶数になる。よって h(m) は 3 で割って 1 余る。
以上より示された。
同様の議論により,逆に m を 3 で割った余りが 1 であるとき,h(m) を 3 で割った余りは 2 であることも分かる。
m1, m2 は n の約数とする。
h(m1)=h(m2) のとき m1=m2 である。
実際,h(m1)=h(m2) が pl で割り切れる場合,定義より
m1=plh(m1), m2=plh(m2)
である。よって,m1=m2 である。
また,h(m1)=h(m2) が pl で割り切れない場合,定義より
m1=plalh(m1), m2=plalh(m2)
である。よって,このときも m1=m2 である。
∗∗∗
n の約数のうち,3 で割ると 2 余るものを小さい順に m1, m2, ⋯, mN とおくと,
h(m1), h(m2), ⋯, h(mN)
は相異なる n の約数であって,3 で割ると 1 余る数である。
この他にも 3 で割って 1 余る n の約数は存在し得るため,f(n)≧N=g(n) を得る。
また,逆に考えることで g(n)≧f(n) を示すこともでき,このとき f(n)=g(n) を得る。
最後に指数がすべて偶数のときを議論します。
(2) ステップ2-2
- a1, a2, ⋯,ak がすべて偶数の場合
m は 3 で割って 2 余る n の約数とする。
h(m) を次のように定める。
- a1>b1 のとき
h(m)=p1m
- a1=b1 のとき
h(m)=p1−b1plm
ただし,pl は,p1, p2, ⋯, pk のうち,指数 bl が奇数になる最小の素数とする。なお,b1=a1 は偶数であって,b1+b2+⋯+bk が奇数であるため,b2, b3,⋯, bk のなかに必ず奇数が存在する。
このとき,同様に議論することで
- h(m) を 3 で割ると 1 余る
- h(m1)=h(m2) の場合,m1=m2 である(ただし,m1, m2 は 3 で割って 2 余る n の約数)
であることが示される。ゆえに同じく議論して g(n)≦f(n) を得る。
(3)
3 で割って 1 余る素因数が関わるかどうかで場合分けをしましょう。
(3)
(2) 同様に n の素因数のうち 3 で割って 2 余るものを p1, p2, ⋯, pk とおく。
n=p1a1⋅p2a2⋅⋯⋅pkak⋅3A⋅n′
となるよう正整数 a1, a2, ⋯,ak をおく。
なお,ここで n′ は p1, p2, ⋯, pk 及び 3 と互いに素な正整数である。
n′ の素因数はすべて 3 で割って 1 余ることに注意すると
g(n)=g(p1a1⋅p2a2⋅⋯⋅pkak)×d(n′)
である。
- a1, a2, ⋯, ak のなかに奇数があるとき
(2) の議論から
g(p1a1⋅p2a2⋅⋯⋅pkak)=f(p1a1⋅p2a2⋅⋯⋅pkak)
であるため,f(n)=g(n)=15 となる。
- a1, a2, ⋯, ak がすべて偶数の場合
(2) の h の定義より h(m) の p1, p2, ⋯, pk の指数がどれも 0 になることはない。よって
S1={h(m)∣m は 3 で割って 2 余る n の約数}S2={m∣m は 3 で割って 1 余る n の約数}
とすると
S1∪{m∣n′ の約数}=S2
となる。
元の個数を比較することで
g(n)+d(n′)=f(n)
となる。
d(n′) は g(n) の約数であるため,1, 3, 5, 15 のいずれかである。よって f(n)=16, 18, 20, 30 をとり得る。
以上より,解答は 15, 16, 18, 20, 30 である。