n を −at≦n≦at を満たす整数として,z=n での断面を考える。これを Vn(t) とおく。
このとき,Vn(t) は
x2+y2≦t2−a2n2
である。この円盤上の格子点の個数を Mn とおく。
このとき,対称性に注意すると
N(t)=M0+2n=1∑⌊at⌋Mn
である。
円盤の格子点の評価
各 P∈Vn(t) について,その点を中心とする辺の長さが 1 の正方形の和集合を Sn で表す。各正方形の面積は 1 であるため,Sn の面積は,Vn の格子点の個数と一致することに注意する。

Sn の点と格子点の距離は高々 21 である。ゆえに
D1:x2+y2≦t2−a2n2+21D2:x2+y2≦t2−a2n2−21
とおくと D2⊂Sn⊂D1 である。よって,面積を比較することで
π(t2−a2n2−21)≦Mn≦π(t2−a2n2+21)
を得る。
各 n について和を取り,辺々を π で割ると
(t2−21)(2⌊at⌋+1)−3a2⌊at⌋(⌊at⌋+1)(2⌊at⌋+1)≦πN(t)≦(t2+21)(2⌊at⌋+1)−3a2⌊at⌋(⌊at⌋+1)(2⌊at⌋+1)
である。
t→∞limt1⌊at⌋=a1 に注意すると
t→∞limt31{(t2−21)(2⌊at⌋+1)−3a2⌊at⌋(⌊at⌋+1)(2⌊at⌋+1)}=a2−3a2=3a4t→∞limt31{(t2+21)(2⌊at⌋+1)−3a2⌊at⌋(⌊at⌋+1)(2⌊at⌋+1)}=a2−3a2=3a4
となる。よってはさみうちの原理から
t→∞limN(t)=3a4π
を得る。