接点間の距離に関する有名問題4問(共通接線上の長さなど)

接点間の距離に関する有名な問題を4問まとめました。

問題1と2は基本,3と4は発展です。

共通外接線の接点間の距離

問題1

共通外接線の接点間の距離の例題 半径が 3,53,5 であり,中心間の距離が 99 である2つの円がある。接点間の距離 ABAB を求めよ。

解答

共通外接線の接点間の距離の解答 図のような直角三角形 O1O2HO_1O_2H に三平方の定理を使うと,

AB=O1H=92(53)2=77AB=O_1H=\sqrt{9^2-(5-3)^2}=\sqrt{77}

問題1を一般化すると,以下を得ます。

定理1

半径が r1,r2r_1,r_2 であり,中心間の距離が dd である2つの円がある。共通外接線上の2つの接点間の距離 ABABd2(r1r2)2\sqrt{d^2-(r_1-r_2)^2} 共通外接線の接点間の距離公式

特に,2つの円が接するとき d=r1+r2d=r_1+r_2 なので,接点間の距離は 2r1r22\sqrt{r_1r_2} になります。

共通内接線の接点間の距離

問題2

共通内接線の接点間の距離の例題 半径が 3,53,5 であり,中心間の距離が 99 である2つの円がある。接点間の距離 CDCD を求めよ。

解答

共通内接線の接点間の距離の解答 図のような直角三角形 O1O2HO_1O_2H に三平方の定理を使うと,

AB=92(5+3)2=17AB=\sqrt{9^2-(5+3)^2}=\sqrt{17}

問題2を一般化すると,以下を得ます。

定理2

半径が r1,r2r_1,r_2 であり,中心間の距離が dd である2つの円がある。共通内接線上の2つの接点間の距離 CDCDd2(r1+r2)2\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2} 共通内接線の接点間の距離公式

定理1と定理2より,共通接線の接点間の距離の方が接線のそれよりも長いことがわかります。

互いに接する3つの円

問題3

半径が r1=2,r2=3,r3=4r_1=2,r_2=3,r_3=4 である 33 つの円が互いに接している。2つの接点を結ぶ線分 ABAB の長さを求めよ。 互いに接する3つの円

解答

余弦定理で cosθ\cos\theta を求めて,もう一度余弦定理で ABAB を求める。

大きい三角形に余弦定理を使うと, cosθ=52+62722×5×6=15\cos\theta=\dfrac{5^2+6^2-7^2}{2\times 5\times 6}=\dfrac{1}{5} さらに,小さい三角形に余弦定理を使うと, AB2=22+222×2×2×15=325AB^2=2^2+2^2-2\times 2\times 2\times\dfrac{1}{5}=\dfrac{32}{5} よって AB=4105AB=\dfrac{4\sqrt{10}}{5}

問題3を一般化すると,以下を得ます。

定理3

半径が r1,r2,r3r_1,r_2,r_3 である 33 つの円が互いに接している。3つの接点のうち r1r_1 の円周上にある接点を結ぶ線分の長さは 2r1r2r3(r1+r2)(r1+r3)2r_1\sqrt{\dfrac{r_2r_3}{(r_1+r_2)(r_1+r_3)}}

互いに接する3つの円と直線

問題4の結果はとてもおもしろいです!

問題4

互いに接する3つの円と直線 図のように3つの円と1本の直線が互いに接している。3つの円の半径を r,r1,r2r,r_1,r_2 とするとき, 1r=1r1+1r2\dfrac{1}{\sqrt{r}}=\dfrac{1}{\sqrt{r_1}}+\dfrac{1}{\sqrt{r_2}} を示せ。

解答

直線との接点をそれぞれ H1,H,H2H_1,H,H_2 とおく。

定理1より,

H1H=rr1,H2H=rr2,H1H2=r1r2H_1H=\sqrt{rr_1},\:H_2H=\sqrt{rr_2},\:H_1H_2=\sqrt{r_1r_2}

よって, rr1+rr2=r1r2\sqrt{rr_1}+\sqrt{rr_2}=\sqrt{r_1r_2}

両辺を rr1r2\sqrt{rr_1r_2} で割ると, 1r=1r1+1r2\dfrac{1}{\sqrt{r}}=\dfrac{1}{\sqrt{r_1}}+\dfrac{1}{\sqrt{r_2}}

ちなみに,フォードの円では,問題4の構図がたくさん登場します。

「共通接線の長さ」と言ってしまいたいですが,共通接線上の接点間の距離と言うべきですね。