レプユニット数

全ての桁が 11 である整数をレプユニット数と言う。

111111111111 などがレプユニット数です。Rep(繰り返し)Unit(11)という意味です。

レプユニット数の性質

定理

2255 以外の任意の素数 pp について,あるレプユニット数 UU が存在して,UUpp の倍数となる。

レプユニット数の美しい性質です。証明してみます。

証明

11kk 個ならんだ数 UkU_k は,等比数列の和の公式より,

Uk=1+10+100++10k1=10k19U_k=1+10+100+\cdots +10^{k-1}=\dfrac{10^k-1}{9}

と表すことができる。さて,素数 pp に対して,kkp1p-1 ととってみる。つまり,レプユニット数 10p119\dfrac{10^{p-1}-1}{9} について考える。

もし pp1010 と互いに素なら,フェルマーの小定理より,10p1110^{p-1}-1pp の倍数となる。よって,さらに pp33 の倍数でないなら,10p119\dfrac{10^{p-1}-1}{9}pp の倍数となる。

よって,2,3,52,3,5 以外の任意の素数 pp について,定理が成り立つ。また,p=3p=3 のときは,例えば 111111pp の倍数となっている。

レプユニット数と素数

素数であるレプユニット数をレプユニット素数と言います。

例えば,1111 はレプユニット素数ですが,

111=3×37111=3\times 37

1111=11×1011111=11\times 101

11111=41×27111111=41\times 271

となり,合成数が続きます。U19U_{19}U23U_{23} などがレプユニット素数になります。

なお,kk44 以上の偶数のとき,UkU_k1111 の倍数となる(→11の倍数の判定法)のでレプユニット素数ではないことが分かります。

nn 進法でのレプユニット数

ここまでは,10進法で考えてきましたが,一般に nn 進法で考えることもできます。→二進法

nn 進法で 11kk 個並んだ数は,nk1n1\dfrac{n^{k}-1}{n-1} と表すことができます。この式から分かるように,二進法でのレプユニット素数はメルセンヌ素数と一致します。→完全数とメルセンヌ素数

関連する入試問題

岡山理科大学の2024年度の入試問題の一部です。おもしろいです。

問題

533333333 を素因数分解せよ。

「1種類の数 NN だけからなる整数は 9N\dfrac{9}{N} 倍して 11 を足すことで 10n10^n という形になる」というのがポイントです。

解答

N=533333333N=533333333 を工夫して素因数分解する。
3N=15999999993N=1599999999 より,

N=16×10813N=\dfrac{16\times 10^8-1}{3}

分子は平方数の差なので因数分解公式を思い出すと,

(22×104)212=(22×104+1)(22×1041)=(22×104+1)(2×102+1)(2×1021)(2^2\times 10^4)^2-1^2\\ =(2^2\times 10^4+1)(2^2\times 10^4-1)\\ =(2^2\times 10^4+1)(2\times 10^2+1)(2\times 10^2-1)

ここで,1つめのかっこの部分は 4x4+14x^4+1 という形で,
複2次式の因数分解が使える:

4x4+1=(2x2+1)24x2=(2x2+2x+1)(2x22x+1)4x^4+1=(2x^2+1)^2-4x^2\\ =(2x^2+2x+1)(2x^2-2x+1)

つまり,3N=221×181×201×1993N=221\times 181\times 201\times 199

N=221×181×67×199N=221\times 181\times 67\times 199

あとは,それぞれが素数かどうか判定すればよい。172>22117^2>221 なので 1313 までの素数でわりきれるか確認すればよい。結局 221=13×17221=13\times 17 でそれ以外は素数となり N=13×17×67×181×199N=13\times 17\times 67\times 181\times 199

221=15222221=15^2-2^2 に気がつけば割り算をしなくても 221=13×17221=13\times 17 と分解できます。

関連する入試問題は恩師のyama先生に教えてもらいました。