ゴールドバッハ予想と関連する命題

命題1(ゴールドバッハ予想):

22 より大きな偶数は2つの素数の和で表すことができる。

命題1が真なのか偽なのかは分かっていません。整数論における有名な未解決問題です。

小さい場合の具体例

4=2+24=2+2

6=3+36=3+3

8=3+58=3+5

10=3+7=5+510=3+7=5+5

12=5+712=5+7

14=3+11=7+714=3+11=7+7

4=2+24=2+2 のように,2つの素数が同じものでも構いません。また,10101414 のように2つの素数の和で表す方法が複数ある場合もあります。

410184\cdot 10^{18} 以下の偶数についてはこのように2つの素数の和で表すことが確認されています。

同値な命題

命題2:

55 より大きな整数は3つの素数の和で表すことができる。

命題1と命題2が同値であることはわりと簡単に証明できます。

証明
  • 命題1→命題2 2n+2=p+q2n+2=p+qp,qp,q は素数)と表せるとき, 2n+4=p+q+22n+4=p+q+22n+5=p+q+32n+5=p+q+3 なので,2n+4,2n+52n+4,2n+5 は3つの素数の和で表せる。この議論が任意の正の整数 nn について成り立つのでOK。

  • 命題2→命題1 2n+4=p+q+r2n+4=p+q+rp,q,rp,q,r は素数)と表せるとき,p,q,rp,q,r の少なくとも1つは偶数であり,それは 22 である。 r=2r=2 としても一般性を失わない。このとき,2n+2=p+q2n+2=p+q となり 2n+22n+2 は2つの素数の和で表せる。この議論が任意の正の整数 nn について成り立つのでOK。

弱い予想

命題3(Goldbach’s weak conjecture):

55 より大きな奇数は3つの素数の和で表すことができる。

命題2と似ていますが,範囲を「整数」ではなく「奇数」に制限しています。よって,命題2が真ならば命題3も真であることが分かります(逆は言えません)。

そして,命題3は2013年に真であることが証明されています!

参考文献:Goldbach’s conjecture(英語版Wikipedia)

ゴールドバッハ予想の主張は小学生でも理解できるというのが素晴らしいですね。