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水平線,地平線までの距離の計算方法と例

更新日時 2021/03/07

水平線までの距離はだいたい4km〜5km

水平線(地平線も同じ)までの距離を計算する方法を解説します。前半はガッツリ数学・物理ですが後半は小学生でも楽しめる内容です。

目次
  • 水平線までの距離の計算式

  • 実際に計算してみる

  • いろいろな距離を計算してみる

水平線までの距離の計算式

水平線までの距離

地球の半径を RR ,観測者の身長を hh とします。このとき,水平線までの距離 ll (赤い円弧の長さ)を求める問題を考えます。

水平線までの距離公式:

l2Rhl\simeq\sqrt{2Rh}

(導出)

中心角を θ\theta とおく。

l=Rθl=R\theta

cosθ=RR+h\cos\theta=\dfrac{R}{R+h}

〜厳密解〜

以上二つの式より,l=RArccosRR+hl=R\:\mathrm{Arccos}\dfrac{R}{R+h} (注1)

〜近似解〜

RhR\gg h であり,θ0\theta\simeq 0 なので cosθ1θ22\cos\theta\simeq 1-\dfrac{\theta^2}{2} と近似できる(注2)。

つまり,さきほどの式は 1θ22RR+h1-\dfrac{\theta^2}{2}\simeq \dfrac{R}{R+h} ,つまり θ2hR+h\theta\simeq \sqrt{\dfrac{2h}{R+h}} となる。さらに,R+hRR+h\simeq R と近似すると,

l=RθR2hR=2Rhl=R\theta\simeq R\sqrt{\dfrac{2h}{R}}=\sqrt{2Rh}

注1: Arccos\mathrm{Arccos}cos\cos の逆関数です。→逆三角関数の重要な性質まとめ

注2:コサインの二次近似です。→三角関数の不定形極限

実際に計算してみる

地球の半径は R=6.37×103R=6.37\times10^3 kmです。

身長は h=1.70×103h=1.70\times 10^{-3} km (170cm)としてみます。

厳密解の式でも近似解の式でも(有効数字3桁で) l=4.65l=4.65 kmとなります!近似解でも十分精度がよいです。

地平線までの距離が4~5kmくらいというのは直感にも合致しますね。

いろいろな距離を計算してみる

水平線までの距離公式を使っていろいろな距離を計算してみました。

  • 子供(身長1m)から見た水平線までの距離: 3.573.57 km
  • 高身長の人(身長2m)から見た水平線までの距離: 5.055.05 km
  • スカイツリーの展望台(高さ450m)から見た地平線までの距離: 75.775.7 km
  • 富士山(高さ3.78km)から見た地平線までの距離: 219219 km 富士山とスカイツリーの距離は 100100 kmくらいなので片方からもう片方が(目が十分良い人なら)観測できます。
  • 飛行機(高さ10km)から見た地平線までの距離: 357357 km 羽田空港上空10000mからは名古屋くらいまで見えるということです。

北海道の大自然を見ていたときに思いついた記事です。

Tag:難しめの数学雑学・ネタまとめ

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