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水平線,地平線までの距離の計算方法と例

更新日時 2021/03/07

水平線までの距離はだいたい4km〜5km 水平線までの距離

水平線(地平線も同じ)までの距離を計算する方法を解説します。

目次
  • 水平線までの距離

  • 水平線・地平線までのいろいろな距離

  • 計算式の導出

水平線までの距離

水平線までの距離はおよそ 2Rh\sqrt{2Rh} です。この式は後で導出します。ただし,

  • RR は地球の半径で,R=6.37×103R=6.37\times10^3 kmです。
  • hh は水平線を見る人の身長(正確には目の高さ)です。

例えば h=1.70×103h=1.70\times 10^{-3} km (170cm)として計算すると,有効数字3桁で 水平線までの距離は 4.654.65 kmとなります!

水平線・地平線までの距離が4~5kmくらいというのは直感に合うのではないでしょうか?

水平線・地平線までのいろいろな距離

水平線までの距離公式 2Rh\sqrt{2Rh} を使っていろいろな距離を計算してみました。

  • 子供(身長1m)から見た水平線までの距離: 3.573.57 km
  • 高身長の人(身長2m)から見た水平線までの距離: 5.055.05 km
  • スカイツリーの展望台(高さ450m)から見た地平線までの距離: 75.775.7 km
  • 富士山(高さ3.78km)から見た地平線までの距離: 219219 km
    富士山とスカイツリーの距離は 100100 kmくらいなので片方からもう片方が(目が十分良い人なら)観測できます。
  • 飛行機(高さ10km)から見た地平線までの距離: 357357 km
    羽田空港上空10000mからは名古屋くらいまで見えるということです。

計算式の導出

水平線までの距離公式

l2Rhl\fallingdotseq \sqrt{2Rh}

「水平線までの距離」を2通りの解釈で考えて計算してみます。いずれも上記公式を導出できます。

導出1

(目と)水平線までの距離 l1l_1 は図の赤い線分 ABAB の長さ。三角形 ABOABO に三平方の定理を使う。 水平線までの距離の導出1 OA=R+hOA=R+hOB=ROB=R なので,

AB2=(R+h)2R2=2Rh+h2AB^2=(R+h)^2-R^2=2Rh+h^2

よって l1=2Rh+h2l_1=\sqrt{2Rh+h^2}

また,身長 hh は地球の半径 RR より十分小さいので h2h^2 を無視すると,l12Rhl_1\fallingdotseq\sqrt{2Rh}

導出2

(足元と)水平線までの地面をたどった距離 l2l_2 は図の緑の弧の長さ。 水平線までの距離の導出2 中心角を θ\theta とおくと,l2=Rθl_2=R\theta

一方,cosθ=RR+h\cos\theta=\dfrac{R}{R+h} より θ=ArccoshR+h\theta=\mathrm{Arccos}\dfrac{h}{R+h}(注1)

以上二つの式より,l2=RArccosRR+hl_2=R\:\mathrm{Arccos}\dfrac{R}{R+h}

ここからは近似解を求める。 RhR\gg h であり,θ0\theta\fallingdotseq 0 なので cosθ1θ22\cos\theta\fallingdotseq 1-\dfrac{\theta^2}{2} と近似できる(注2)。

つまり,さきほどの式は 1θ22RR+h1-\dfrac{\theta^2}{2}\fallingdotseq \dfrac{R}{R+h} ,つまり θ2hR+h\theta\fallingdotseq \sqrt{\dfrac{2h}{R+h}} となる。さらに,R+hRR+h\fallingdotseq R と近似すると,

l=RθR2hR=2Rhl=R\theta\fallingdotseq R\sqrt{\dfrac{2h}{R}}=\sqrt{2Rh}

北海道の大自然を見ていたときに思いついた記事です。

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