階差数列を用いて一般項を求める方法について
数列 の一般項を求めるために,階差数列 を用いるとうまくいくことがある。
前半は基本事項(階差数列の考え方,例題),
後半はややつっこんだ考察。
階差数列の考え方
例題
場合分けについて
階差数列と多項式
階差数列の考え方
という式を一般化すると,
を得ます。これより,数列 の一般項が分かればその和を取ることで一般項 が分かります。
例題
先頭の6項が である数列 の一般項を求めよ。
数列の規則性が分かりにくいので,階差数列 を先頭から計算すると, となる。これより は等差数列であり, を得る。
よって,先述の和の式を用いると, のとき(場合分けの意味は後述)
これは のときも正しい。
余談:高次の多項式を用いればいかようにも補間できるので,この手の問題はあまり好きではありません。ただ,時には空気を読む,場に合わせることも重要だと思っています。
場合分けについて
階差数列の公式中には という表記が含まれており, でないと意味を持ちません。そのため, と の場合を分けて考える必要があります。
ただし,高校数学,大学入試で登場するほとんど全ての問題では の場合の結果が の場合にも正しいので,場合分けの必要性を実感しにくいです。
しかし,うまくいかないひねくれた例を作ることもできます。→階差数列,n=1のときは必ず成り立つか?(怜悧玲瓏 ~高校数学を天空から俯瞰する~ という外部サイト)
ということで,場合分けは忘れないようにしましょう!
階差数列と多項式
一般項が 次多項式で表される数列の階差数列は 次多項式である。
これは簡単な計算で確認できます,やってみてください。
- タイプ→等差数列だからすぐに一般項が分かる
- タイプ→階差数列が等差数列になる
- タイプ→階差数列の階差数列が等差数列になる
入試とかで登場するのはこの辺まででしょう。
一般に, が の 次多項式のとき,階差数列を 回取れば等差数列になります。
例えば,一般項が二次式だと分かっていれば, で検算することで確証が得られるのでハッピーです。