階差数列の意味と、もとの数列の一般項を求める方法
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「次の数との差」を並べた数列のことを階差数列と言います。
例えば, という数列に対する階差数列は,
です。
階差数列について詳しく解説します。
階差数列とは
階差数列とは
階差数列とは,次の数との差を並べた数列のことです。きちんと書くと,
数列 に対して, で定まる数列のことを階差数列と言います。
という数列 の階差数列 を求めよ。
差を並べていくと, となります。
きちんと式で書くと,
階差数列ともとの数列の関係
階差数列ともとの数列の関係
数列 の階差数列を とおくと, となる。
のせいで少しわかりにくいですが,例えば,
- のとき
- のとき
- のとき
という式が成立するわけです。
以降も同様。
階差数列を使って一般項を求める
階差数列を使って一般項を求める
階差数列 の一般項がわかれば,さきほどの性質 を使って数列 の一般項もわかる。
先頭の6項が である数列 の一般項を求めよ。
階差数列 を先頭から計算すると, であった。これより は等差数列であり, を得る。
よって,さきほどの和の式を用いると, のとき(場合分けの意味は後述)
これは のときも正しい。
余談:高次の多項式を用いればいかようにも補間できるので,この手の問題はあまり好きではありません。ただ,時には空気を読む,場に合わせることも重要だと思っています。
場合分けについて
階差数列の公式中には という表記が含まれており, でないと意味を持ちません。そのため, と の場合を分けて考える必要があります。
ただし,高校数学,大学入試で登場するほとんど全ての問題では の場合の結果が の場合にも正しいので,場合分けの必要性を実感しにくいです。
しかし,うまくいかないひねくれた例を作ることもできます。→階差数列,n=1のときは必ず成り立つか?(怜悧玲瓏 ~高校数学を天空から俯瞰する~ という外部サイト)
ということで,場合分けは忘れないようにしましょう!
練習問題
練習問題
数列 は, で階差数列が元の と一致する。このとき を求めよ。
条件より であるため を得る。
よって である。
階差数列と多項式
階差数列と多項式
一般項が 次多項式で表される数列の階差数列は 次多項式である。
これは簡単な計算で確認できます,やってみてください。
- タイプ→等差数列だからすぐに一般項が分かる
- タイプ→階差数列が等差数列になる
- タイプ→階差数列の階差数列が等差数列になる
入試で登場するのはこの辺まででしょう。
一般に, が の 次多項式のとき,階差数列を 回取れば等差数列になります。
ちなみにこれは微分の「離散版」ともいえます。
例えば,一般項が二次式だと分かっていれば, で検算することで確証が得られるのでハッピーです。