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偏差値の計算方法と様々な性質

更新日時 2021/03/07

平均を μ\mu ,標準偏差を σ\sigma ,得点を xix_i とすると,偏差値 TiT_i は,

Ti=xiμσ×10+50T_i=\dfrac{x_i-\mu}{\sigma}\times 10+50

で計算できます。

この記事では,偏差値の計算方法と性質について詳しく解説します。偏差値の性質を知っていれば「偏差値60」や「偏差値70」がどれくらいすごいのかを説明することができます。

目次
  • 偏差値と得点

  • 偏差値と平均点

  • 偏差値と標準偏差

  • 偏差値計算の準備:平均と標準偏差

  • 偏差値計算の具体例

  • 高い偏差値を取るための条件

偏差値と得点

偏差値の性質1:

得点が高ければ高いほど偏差値は高いです。

実際,偏差値の計算式

Ti=xiμσ×10+50T_i=\dfrac{x_i-\mu}{\sigma}\times 10+50

を見ると,得点 xix_i が大きいほど偏差値 TiT_i が大きいことが分かります。

偏差値と平均点

偏差値の性質2:

得点が平均点と同じ場合,偏差値は 5050 になります。

実際,偏差値の計算式

Ti=xiμσ×10+50T_i=\dfrac{x_i-\mu}{\sigma}\times 10+50

を見ると,xi=μx_i=\mu の場合に偏差値が 5050 になることが分かります。

また,平均点より低い場合は偏差値が 5050 より小さく,平均点より高い場合は偏差値が 5050 より大きくなります。

偏差値と標準偏差

偏差値の性質3:

得点が「標準偏差(=σ=\sigma)」だけ上がると,偏差値は 1010 上がります。

実際,偏差値の計算式

Ti=xiμσ×10+50T_i=\dfrac{x_i-\mu}{\sigma}\times 10+50

を見ると,xix_iσ\sigma 増えるごとに偏差値が 1010 上がることが分かります。

標準偏差 σ\sigma は,点数のバラつきの大きさを表す指標です。

偏差値30:点数は μ2σ\mu-2\sigma

偏差値40:点数は μσ\mu-\sigma

偏差値50:点数は μ\mu

偏差値60:点数は μ+σ\mu+\sigma

偏差値70:点数は μ+2σ\mu+2\sigma

となります。

ちなみに,偏差値 6060 以上は全体の 1515 %, 7070 以上は全体の 22 %程度となる場合が多いです。

偏差値計算の準備:平均と標準偏差

偏差値を計算するためには,先に平均点と標準偏差を計算する必要があります。そこで,まずは平均と標準偏差の計算方法を復習します。

NN 人のテストの場合を考えます。それぞれの点数を x1,x2,,xNx_1, x_2, \cdots, x_N とおきます。

平均 μ\mu は期待値とも呼ばれるお馴染みの指標です:

μ=1Ni=1Nxi\mu=\dfrac{1}{N}\displaystyle\sum_{i=1}^Nx_i

平均的な人が取る点数が μ\mu 点ということです。

標準偏差 σ\sigma は分布の散らばり方を表す指標です。

σ=1Ni=1N(xiμ)2\sigma=\sqrt{\dfrac{1}{N}\displaystyle\sum_{i=1}^N(x_i-\mu)^2}

σ\sigma が大きいほど分布が偏っている,つまり高得点や低得点の人がたくさんいることになります。

実際に偏差値の計算を行うときは,

平均 μ\mu を求める→標準偏差 σ\sigma を求める→偏差値を求める

という流れになります。

偏差値計算の具体例

次に N=5N=5 の場合の具体例でそれぞれの人の偏差値を求めてみます。

55 人の点数を 60,70,80,95,9560, 70, 80, 95, 95 点とします。

平均は,μ=15(60+70+80+95+95)=80\mu=\dfrac{1}{5}(60+70+80+95+95)=80

標準偏差は,σ=15(202+102+02+152+152)=190\sigma=\sqrt{\dfrac{1}{5}(20^2+10^2+0^2+15^2+15^2)}=\sqrt{190}

よって例えば 6060 点の人の偏差値は,

6080190×10+5035.5\dfrac{60-80}{\sqrt{190}}\times 10+50\simeq 35.5

8080 点の人の偏差値は,

8080190×10+50=50\dfrac{80-80}{\sqrt{190}}\times 10+50=50

9595 点の人の偏差値は,

9580190×10+5060.9\dfrac{95-80}{\sqrt{190}}\times 10+50\simeq 60.9

高い偏差値を取るための条件

・標準偏差が小さいほど高偏差値も低偏差値もとりやすくなります。

実際,σ\sigma が大きいほど TiT_i を表す1次関数の傾きが急になります。

・偏差値はマイナスになることも 100100 を超えることもあります。

100100 人のテストで自分以外が全員 00 点で自分が 100100 点なら μ=1,σ=9.9\mu=1, \sigma=9.9

で自分の偏差値は 150150 になります!!!

つまり,点数のバラツキが小さく平均点が低いようなテストで,自分だけ高得点を取れば偏差値は非常に高くなります。

三桁の偏差値をとってみたいものです

Tag:難しめの数学雑学・ネタまとめ

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