偏差値の計算方法と様々な性質
平均を ,標準偏差を ,得点を とすると,偏差値 は,
で計算できる。
偏差値の計算方法と性質を解説します。偏差値の性質を知っていれば「偏差値60」や「偏差値70」がどれくらいすごいのかを説明できます。
偏差値と得点
偏差値と平均点
偏差値と標準偏差
偏差値計算の準備:平均と標準偏差
偏差値計算の具体例
高い偏差値を取るための条件
偏差値と得点
偏差値の性質1:
得点が高ければ高いほど偏差値は高いです。
実際,偏差値の計算式
を見ると,得点 が大きいほど偏差値 が大きいことが分かります。
偏差値と平均点
偏差値の性質2:
得点が平均点と同じ場合,偏差値は になります。
実際,偏差値の計算式
を見ると, の場合に偏差値が になることが分かります。
また,平均点より低い場合は偏差値が より小さく,平均点より高い場合は偏差値が より大きくなります。
偏差値と標準偏差
偏差値の性質3:
得点が「標準偏差()」だけ上がると,偏差値は 上がります。
実際,偏差値の計算式
を見ると, が 増えるごとに偏差値が 上がることが分かります。
標準偏差 は,点数のバラつきの大きさを表す指標です。
偏差値30:点数は
偏差値40:点数は
偏差値50:点数は
偏差値60:点数は
偏差値70:点数は
となります。
ちなみに,偏差値 以上は全体の %, 以上は全体の %程度となる場合が多いです。
偏差値計算の準備:平均と標準偏差
偏差値を計算するためには,先に平均点と標準偏差を計算する必要があります。そこで,まずは平均と標準偏差の計算方法を復習します。
人のテストの場合を考えます。それぞれの点数を とおきます。
平均 は期待値とも呼ばれるお馴染みの指標です:
平均的な人が取る点数が 点ということです。
標準偏差 は分布の散らばり方を表す指標です。
が大きいほど分布が偏っている,つまり高得点や低得点の人がたくさんいることになります。
実際に偏差値の計算を行うときは,
平均 を求める→標準偏差 を求める→偏差値を求める
という流れになります。
偏差値計算の具体例
次に の場合の具体例でそれぞれの人の偏差値を求めてみます。
人の点数を 点とします。
平均は,
標準偏差は,
よって例えば 点の人の偏差値は,
点の人の偏差値は,
点の人の偏差値は,
高い偏差値を取るための条件
・標準偏差が小さいほど高偏差値も低偏差値もとりやすくなります。
実際, が大きいほど を表す1次関数の傾きが急になります。
・偏差値はマイナスになることも を超えることもあります。
人のテストで自分以外が全員 点で自分が 点なら
で自分の偏差値は になります!!!
つまり,点数のバラツキが小さく平均点が低いようなテストで,自分だけ高得点を取れば偏差値は非常に高くなります。
三桁の偏差値をとってみたいものです
Tag:難しめの数学雑学・ネタまとめ