二次関数の最大値,最小値の2通りの求め方

二次関数の最大値の求め方

二次関数 y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c の最大値・最小値は,以下の2通りの方法で求めることができる:

  • 平方完成→グラフを描く→最大値,最小値を求める
  • 微分する→最大値,最小値を求める

基本的な問題

例題1

二次関数 y=x24x+5y=x^2-4x+51x41\leq x\leq 4 における最大値,最小値を求めよ。

方法1(平方完成)

y=x24x+5=x24x+44+5=(x2)2+1y=x^2-4x+5\\ =x^2-4x+4-4+5\\ =(x-2)^2+1

よって,この二次関数の 頂点は (2,1)(2,1) であり,二次の係数が正なので下に凸である。

二次関数の最大最小

したがって,グラフは図のようになる。

よって,

最大値は 55x=4x=4 のとき)

最小値は 11x=2x=2 のとき)

方法2(微分)

y=x24x+5y=x^2-4x+5 を微分すると,

y=2x4y'=2x-4

したがって,x=2x=2 がこの二次関数の軸となることが分かる。

また,グラフは x=2x=2 に関して対称なので,区間の端の中で,22 からより遠い x=4x=4 で最大値を取ることが分かる。

よって,

最大値は 55x=4x=4 のとき)

最小値は 11x=2x=2 のとき)

2つの方法について

二次関数の最大値,最小値を求める問題では,

  • 頂点の座標
  • (軸から遠い側の)区間の端における二次関数の値

が分かればOKです。

上の例題で見たように,頂点の座標は平方完成でも微分でも計算できます。計算量はほとんど同じなので,どちらの解き方でも構いません。個人的には平方完成の方法で答案を書いて,微分の方法で検算もするとしていました。

定義域が閉区間でない場合

例題2

二次関数 y=3x24x+1y=-3x^2-4x+12<x0-2< x\leq 0 における最大値,最小値を求めよ。

方法1(平方完成)

y=3x24x+1=3(x2+43x+4949)+1=3(x+23)2+73y=-3x^2-4x+1\\ =-3\left(x^2+\dfrac{4}{3}x+\dfrac{4}{9}-\dfrac{4}{9}\right)+1\\ =-3\left(x+\dfrac{2}{3}\right)^2+\dfrac{7}{3}

よって,この二次関数の頂点は (23,73)\left(-\dfrac{2}{3},\dfrac{7}{3}\right) であり,二次の係数が負なので上に凸である。

二次関数の最小値が存在しない場合

したがって,グラフは図のようになる。

よって,

最大値は 73\dfrac{7}{3}x=23x=-\dfrac{2}{3} のとき)

最小値は存在しない

方法2(微分)

y=3x24x+1y=-3x^2-4x+1 を微分すると,

y=6x4y'=-6x-4

したがって,x=23x=-\dfrac{2}{3} がこの二次関数の軸となることが分かる。

また,グラフは x=23x=-\dfrac{2}{3} に関して対称である。そして,区間の「端」の中で,23-\dfrac{2}{3} からより遠い側の端点は定義域に含まれない。

よって,

最大値は 73\dfrac{7}{3}x=23x=-\dfrac{2}{3} のとき)

最小値は存在しない

→高校数学の問題集 ~最短で得点力を上げるために~のT31で,この記事の復習ができます。

軸の xx 座標 b2a-\dfrac{b}{2a} を丸暗記する人も多いですが,微分すればすぐに導出できるので暗記しなくてもよいです。