ネイピア数eが無理数であることの証明
ネイピア数 は無理数である
このページでは,有名なフーリエの方法を紹介します。オイラーの方法についても概略を述べます。
eが無理数であることの証明(フーリエ)
eが無理数であることの証明(フーリエ)
使う道具は,マクローリン展開,背理法,等比数列による評価です。マクローリン展開を使うので厳密には高校範囲ではありませんが,最も有名な証明方法です。
マクローリン展開を用いて を表します。 をかけることで途中の項まで分母を払って整数を作り出します。残った項を等比数列でおさえることで矛盾を導きます。
( は互いに素な自然数)と表せると仮定して矛盾を導く。
指数関数のマクローリン展開において を代入すると,
両辺に をかけることで右辺の第 項までの分母を払う:
ただし, は自然数。
ここで,右辺の各項を上からおさえる:
よって,
これは左辺が自然数であることに矛盾する。
eが無理数であることの証明(オイラー)
eが無理数であることの証明(オイラー)
実は が無理数であることは1737年にオイラーによって初めて証明されました(論文に掲載されたのは1744年)。
オイラーの証明は 無限連分数展開 を用いるものです。
- 有理数なら正則連分数展開は有限回で終わる
- は正則連分数展開が無限回続く
1:正則な連分数展開とは分子が全て1となる連分数展開です。ユークリッドの互除法に基いて展開できます。
2: の連分数展開は,
と規則的に無限に続くようです。証明は難しいためここでは省きます。興味のある人は調べてみてください。
実は円周率 が無理数であることを示すほうがもっと難しいです。
Tag:マクローリン展開の応用例まとめ