減衰曲線の重要な性質まとめ
および は減衰曲線と呼ばれる重要な関数。
減衰曲線は,
- 応用上重要な関数(二階線形微分方程式の解)
- 微分,積分計算が適度な難易度
- 大学入試で頻出
です。
この記事では とします。
このページでは,減衰曲線について知っておくべき4つのトピックを扱います。
以下では の場合について説明しますが, の場合もほぼ同様です。
減衰曲線の極限とグラフ
減衰曲線の極限とグラフ
まずは,極限の基本的な問題です。
- 減衰曲線の での極限は0
次に,2:グラフの概形の話です。
- 減衰曲線のグラフの概形は微分しなくても書ける
sinx/xについて覚えておくべき2つのことでも述べたように,
一般的に のグラフは と のグラフを用いて簡単に書けます。
図において黒丸は との交点で, 軸方向に等間隔に並んでいます。微分すれば分かるのですが,黒丸は極大・極小点とは異なる(微妙にずれている)ので注意してください。
極大・極小の値は微分しないと求めることができませんが,減衰曲線のグラフの概形は一瞬でイメージできるようになっておきましょう。
減衰曲線の積分
減衰曲線の積分
次は積分です。
- 減衰曲線の不定積分は部分積分を2回
「減衰曲線の不定積分は部分積分を2回繰り返せば計算できる」と覚えておきましょう。発展的ですが,複素指数関数を用いて積分することもできます。→三角関数と指数関数の積の積分
4:最後に面積の話です。4つの中で一番知名度が低いトピックですが,入試では頻出です。
4. 減衰曲線と 軸による面積は等比数列
とおくと, は公比が の等比数列になります。

と置換すると,
式だけ見ていてもわかりにくいですが,図を見ればしっくりくると思います。
なお, の各項が正になるように減衰曲線の下半分を折り返した曲線 を考える場合も多いです。
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物理では運動方程式の解として減衰曲線が出てきます。
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