外接円の半径と三角形の面積の関係(S=abc/4R)
3辺の長さが である三角形の外接円の半径を ,面積を とおくと,
検算に使える公式なので,受験生は覚えておくとよいです。
公式の証明
公式の証明
証明は簡単です。外接円の半径 を登場させるために正弦定理を使います。また,三角形の面積 を登場させるために「 による面積公式」を使います。
正弦定理より,
また,三角形の面積の公式から,
以上の2式から を消去して整理すると求める公式を得る。
応用例:オイラーの不等式
応用例:オイラーの不等式
上記の公式の応用例として,オイラーの不等式を証明します。
腕に自信のある人は,証明を見る前に自力で考えてみてください。 数学オリンピックのよい練習問題になるでしょう。
三角形の外接円の半径を ,内接円の半径を としたとき, が成立する。
内接円の半径と面積の関係式から
外接円の半径と面積の関係式から
以上をそれぞれ について解くことにより,
この式の分子が非負であることを示せばよい。ヘロンの公式から,
ただし,
となる。ここで, の場合のSchur の不等式 を使うと, がわかる。
補足
- 等号成立条件は,,つまり正三角形の場合です。
- オイラーの不等式はオイラーの公式からも瞬時に導かれます。
- の場合の Schur の不等式は,非常に有名なので覚えておくとよいでしょう。
- 上記の証明の途中で登場する不等式: のことをレームス(lehmus)の不等式といいます。
,シンプルですが,かなり好きな式です。
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