【解答・解説】東大理系数学2026 第3問

東大理系数学2026 第3問

座標空間内の原点を中心とする半径 55 の球面を SS とする。SS 上の相異なる 3点 P\mathrm{P}Q\mathrm{Q}R\mathrm{R} が次の条件を満たすように動く。

条件: P\mathrm{P}Q\mathrm{Q}xyxy 平面上にあり, 三角形 PQR\mathrm{PQR} の重心は G(2, 0, 1)\mathrm{G} (2,\ 0,\ 1) である。

以下の問いに答えよ。

  1. 線分 PQ\mathrm{PQ} の中点 M\mathrm{M} の軌跡を xyxy 平面上に図示せよ。
  2. 線分 PQ\mathrm{PQ} が通過する範囲を xyxy 平面上に図示せよ。

この記事では東大理系数学2026 第3問を解説します。

解答・解説

(1)

シンプルにパラメタ表示を求めましょう。点 P\mathrm{P}Q\mathrm{Q}xyxy 平面上にあるという条件がかなり強く効いてきます。

(1)

線分 PQ\mathrm{PQ} の中点 M\mathrm{M} の座標を (X, Y, Z)(X,\ Y ,\ Z) で表す。

条件より P\mathrm{P}Q\mathrm{Q}xyxy 平面上にあるため,P(x1, y1,0)\mathrm{P} (x_1, \ y_1 , 0)Q(x2, y2, 0)\mathrm{Q} (x_2,\ y_2, \ 0) と表される。それぞれ半径 55 の球面上にあるため, x12+y12=25x22+y22=25 {x_1}^2 + {y_1}^2 = 25\\ {x_2}^2 + {y_2}^2 = 25 を満たす。

P\mathrm{P},点 Q\mathrm{Q} は異なる2点であるため,中点 M\mathrm{M} は端点を除く弦 PQ\mathrm{PQ} 上にある。点 M\mathrm{M} は円 x2+y2=25, z=0x^2 + y^2 = 25, \ z = 0 の内部に存在する。つまり.X2+Y2<25X^2+Y^2 < 25 を満たす。逆に x2+y2<25, z=0x^2 + y^2 < 25, \ z = 0 上の点をとると,それを中点とする弦 PQ\mathrm{PQ} をとることができる。

三角形 PQR\mathrm{PQR} の重心の zz 座標が 11 であるため,R\mathrm{R}zz 座標は 33 になる。また,R\mathrm{R}SS 上の点であるため,x2+y2=16, z=3x^2 + y^2 = 16,\ z = 3 上に存在する。よって,実数 u (0u<2π)u \ (0 \leqq u < 2\pi) を用いて R(4cosu, 4sinu, 3)\mathrm{R} (4\cos u,\ 4 \sin u,\ 3) と表される。

三角形 PQR\mathrm{PQR} の重心 G\mathrm{G}(2, 0, 1)(2,\ 0 , \ 1) であることから x1+x2+4cosu=6y1+y2+4sinu=0 x_1+x_2 + 4 \cos u = 6\\ y_1+y_2 + 4 \sin u = 0 である。よって X, Y, ZX,\ Y, \ ZX=x1+x22=32cosuY=y1+y22=2sinuZ=0 \begin{aligned} X &= \dfrac{x_1+x_2}{2} = 3-2 \cos u\\ Y &= \dfrac{y_1+y_2}{2} = -2 \sin u\\ Z &= 0 \end{aligned} と表される。よって,M\mathrm{M} は,中心 (3, 0)(3,\ 0),半径 22xyxy 平面上の円周上にある。

このうち X2+Y2=25X^2 + Y^2 = 25 の点を取り除くと点 M\mathrm{M} の軌跡は下図になる。

pic01

(2)

直線 PQ\mathrm{PQ} と直線 OM\mathrm{OM} が直交することに気付けば簡単に条件式が得られます。とはいえ,必要十分性を満たしているかどうかはナイーブな問題になります。今回の解答では何と何が同値になるのか比較的丁寧に(ややくどく)説明しました。

(2)

以下,z=0z = 0 上で議論をする。(1) 同様に考えることで (x, y)(x,\ y)x2+y225x^2+ y^2 \leqq 25 及び (x, y)(5, 0)(x,\ y) \neq (5,\ 0) を満たす。

直線 OM\mathrm{OM} と直線 PQ\mathrm{PQ} は直交するため,直線 PQ\mathrm{PQ}(32cosu){x(32cosu)}(2sinu){y+2sinu}=0() (3-2\cos u) \{ x-(3-2\cos u) \} - (2\sin u) \{ y+2\sin u\} = 0 \quad\cdots (\ast) と表される。なお,(1) より M\mathrm{M}(5, 0)(5,\ 0) にならないため, uπu \neq \pi であることに注意する。

以上より次の2つが同値である。

  • (x, y)(x,\ y) は,線分 PQ\mathrm{PQ} の軌跡に入る。
  • (x, y)(x,\ y) は,x2+y225x^2+ y^2 \leqq 25 及び (x, y)(5, 0)(x,\ y) \neq (5,\ 0) を満たした上で,()(\ast) を満たす実数 u (0u<2π,uπ)u \ (0 \leqq u < 2\pi , u \neq \pi) が存在する。

u=πu = \pi の場合,直線 PQ\mathrm{PQ} の式は x5=0x-5 = 0 となる。x2+y225x^2+ y^2 \leqq 25 及び (x, y)(5, 0)(x,\ y) \neq (5,\ 0) の下で x5=0x - 5 = 0 を満たす (x, y)(x,\ y) は存在しない。よって,次の2つが同値であることが分かる。

  • (x, y)(x,\ y) は線分 PQ\mathrm{PQ} の軌跡に入る。
  • (x, y)(x,\ y) は,x2+y225x^2+ y^2 \leqq 25 及び (x, y)(5, 0)(x,\ y) \neq (5,\ 0) を満たした上で,()(\ast) を満たす実数 u (0u<2π)u \ (0 \leqq u < 2\pi) が存在する。
    (注→ uπu \neq \pi を外すことができた)

()(\ast) を展開して整理すると (x6)cosu+ysinu=3x132 (x-6) \cos u + y \sin u = \dfrac{3x-13}{2} となる。三角関数の合成により (x6)2+y2sin(u+θ)=3x132 \sqrt{(x-6)^2 + y^2} \sin (u + \theta) = \dfrac{3x-13}{2} である。ここで θ  (0θ<2π)\theta \ \ ( 0 \leqq \theta < 2 \pi )sinθ=x6(x6)2+y2cosθ=y(x6)2+y2\begin{aligned} \sin \theta &= \dfrac{x-6}{\sqrt{(x-6)^2 + y^2}}\\ \cos \theta &= \dfrac{y}{\sqrt{(x-6)^2 + y^2}}\\ \end{aligned} を満たす。(x, y)(x,\ y) は中心 (0, 0)(0,\ 0),半径 55 の円周の内側に存在するため,x6x - 600 になることはない。よって θ0\theta \neq 0 である。

0u<2π0 \leqq u < 2\pi より sin(u+θ)\sin (u + \theta)1- 1 から 11 までのすべての実数をとり得る。 よって (x, y)(x,\ y)()(\ast) を満たす実数 u (0u<2π)u \ (0 \leqq u < 2\pi) が存在することと,(x, y)(x,\ y) が次の式 13x132(x6)2+y21 -1 \leqq \dfrac{3x-13}{2\sqrt{(x-6)^2 + y^2}} \leqq 1 を満たすことは同値である。

分子をはらうと (3x19)24(x6)2+4y2 (3x-19)^2 \leqq 4 (x-6)^2 + 4y^2 となる。整理することで (x3)24y251 \dfrac{(x-3)^2}{4} - \dfrac{y^2}{5} \leqq 1 を得る。

以上より求める範囲は である。

図示すると以下の斜線部になる。

pic02

例年に比べると少々優しめではあるものの,東大理系数学の大問3の風格を感じます。