ハーディの不等式(Hardy's Inequality)
1 より大きい任意の実数 p と,非負の可測関数 f(x) に対して,
∫0∞(x1∫0xf(t)dt)pdx≤(p−1p)p∫0∞f(x)pdx
が成立する。
証明(※の部分だけ厳密でない)
まず,左辺を部分積分で変形していく:
∫0∞(x1∫0xf(t)dt)pdx=∫0∞(∫0xf(t)dt)px−pdx=[(∫0xf(t)dt)p1−px1−p]0∞−∫0∞dxd{(∫0xf(t)dt)p}1−px1−pdx
この第一項は x→0 と x→∞ で 0 になる(※)。
第二項の微分の部分は,f(x) の原始関数の1つを F(x) とおくと,
p(F(x)−F(0))p−1f(x) となるので,第二項は以下のようになる:
p−1p∫0∞(∫0xf(t)dt)p−1x1−pf(x)dx=p−1p∫0∞(x1∫0xf(t)dt)p−1f(x)dx
ここで,ヘルダーの不等式:
∫f(x)g(x)dx≤(∫f(x)pdx)p1(∫g(x)p−1pdx)1−p1
において g(x)=(x1∫0xf(t)dt)p−1 とおくと,第二項 L は以下のようにおさえられる:
L≤p−1p(∫0∞f(x)pdx)p1(∫0∞(x1∫0xf(t)dt)pdx)1−p1
すると,右辺にも L が出てきており,両辺を p 乗すると,
Lp≤(p−1p)p∫0∞f(x)pdx×Lp−1
両辺を Lp−1 で割るとハーディの不等式を得る。