群数列の問題と解き方のコツ

群数列

ある規則にもとづいて区切られた(グループ分けされた)数列のことを群数列と呼ぶ。

例. 2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,2, | 4, 6, | 8, 10, 12, | 14, 16, 18, 20, |\cdots

群数列について,例題を使ってわかりやすく解説します。

群数列の意味と例

例えば,

2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,2, | 4, 6, | 8, 10, 12, | 14, 16, 18, 20, |\cdots

は群数列です。

  • 数列自体22 から順番に偶数が並んでいます(初項2の等差数列)。
  • nn 個目のグループに nn 個の数が入るように区切られています。例えば2個目のグループは 4,64,6 の2つです。

このように,数列ある規則にもとづいて区切られているのが群数列です。

群数列の問題の解き方・コツ

例題を使って,群数列の解き方を学んでいきましょう。

例題1

2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,2, | 4, 6, | 8, 10, 12, | 14, 16, 18, 20, |\cdots

と表される群数列において,

(1) 第 nn 群の初項を求めよ。

(2) 第 nn 群の総和を求めよ。

(3) 200200 は第何群の何項目か答えよ。

群数列の問題を解くコツは2つです。

  1. 最初に「kk 番目の群に項が何個あるか」考える
  2. 「第 nn 群の先頭」は何番目か考える。
    これは「n1n-1 群までに含まれる項数」+1番目
(1)の解答

(まずはコツ1)kk 群には kk 個の項が含まれることがわかる。

(次にコツ2)よって,n1n-1 群までに含まれる項数は k=1n1k=12n(n1) \sum_{k=1}^{n-1} k = \dfrac{1}{2} n(n-1) よって「第 nn 群の先頭」は N=12n(n1)+1 N=\dfrac{1}{2} n(n-1) +1 番目の項である。つまり「第 nn 群の先頭」は 2N=n(n1)+22N=n(n-1) +2

(2)の解答

kk 群には kk 個の項が含まれる。

よって,第 nn 群の末項はもとの数列の k=1nk=12n(n+1)番目\sum_{k=1}^{n} k = \dfrac{1}{2} n(n+1)\text{番目} なので,第 nn 群の末項は n(n+1)n(n+1) である。

もとの数列は等差数列であり,第 nn 群の初項・末項・項数がわかったので和を計算できる。

等差数列の公式:(初項+末項)×項数÷2 を用いると,

{n(n1)+2+n(n+1)}×n×12=n3+n\{n(n-1)+2+n(n+1)\}\times n\times\dfrac{1}{2}\\ =n^3+n

(3)解答

まず, 200200 が第何群に入っているのか求める。

200200 が第 nn 群に入っている条件は, (n群の初項)200<(n+1群の初項)(\text{n群の初項})\leqq 200\lt (\text{n+1群の初項}) となる。つまり,(1)の結果を使うと

n(n1)+2200<n(n+1)+2n(n-1)+2\leqq 200\lt n(n+1)+2

この不等式を満たす nn1414 である。

つまり 200200 は第 1414 群に含まれる。また,第 1414 群の初項は(1)より 184184 なので, 200200 は第 1414 群の 99 番目の項である。

では,別の問題も解いてみましょう。さきほどと同じく,コツは

  1. 最初に「kk 番目の群に項が何個あるか」考える
  2. 「第 nn 群の先頭」は何番目か考える。
    これは「n1n-1 群までに含まれる項数」+1番目
例題2

1,3,5,7,9,11,13,15,17,1, | 3, 5, 7,| 9, 11, 13, 15, 17, |\cdots

と表される群数列において,111111 は第何群の何項目か答えよ。

解答

(コツ1)kk 群には 2k12k-1 個の項が含まれる。

(コツ2)第 nn 群の初項を求める。n1n-1 群までに含まれる項数は k=1n1(2k1)=(n1)2 \sum_{k=1}^{n-1}(2k-1) = (n-1)^2 であり,第 nn 群の初項は N=(n1)2+1N=(n-1)^2+1 番目である。また,もとの数列は初項 11 で公差 22 の等差数列なので,NN 番目の数は 2N12N-1 である。

よって,第 nn 群の初項は, 2(n1)2+1 2(n-1)^2 + 1 111111 が第 nn 群に入っている条件は, (n群の初項)111<(n+1群の初項)(\text{n群の初項})\leqq 111\lt (\text{n+1群の初項}) となり,(1)から nn 群の初項はわかるので,この不等式を満たす nn88 である。

つまり 111111 は第 88 群に含まれる。また,第 88 群の初項は 2×72+1=992\times 7^2+1=99 なので,111111 は第 88 群の 77 番目の項である。

群数列についてのまとめ

群数列のコツは以下の2つです。

  1. 最初に「kk 番目の群に項が何個あるか」考える
  2. 「第 nn 群の先頭」は何番目か考える。
    これは「n1n-1 群までに含まれる項数」+1番目

難関大の問題でも基本的にはこの解き方を使って丁寧に考えるだけで解けます。様々な問題で練習しましょう。

群数列の問題はどんどん規模が大きくなっていく感じがして好きです。