三次関数の極値を求める2通りの方法
三次関数の極値について,普通に代入する素直な方法と,多項式の割り算を使う方法を紹介します。
極値を持つ条件
極値を持つ条件
三次関数 について,
( に注意すると)
が極大値と極小値を1つずつ持つ
が相異なる2つの実数解を持つ
の判別式が正
が極値を持たない
の実数解が1つ以下
の判別式が 以下
極値を計算する素直な方法
極値を計算する素直な方法
導関数 の符号が変わるところで極値をとります。
の極値を求めよ。
よって,
で, がプラスからマイナスに変わるので極大値を取り,その値は
また,
で, がマイナスからプラスに変わるの極小値を取り,その値は
多項式の割り算を使う方法
多項式の割り算を使う方法
極値を計算する際に, を で割るという方法もあります。
を で割ると,
ここで,
なので,
極大値は,
極小値は,
※この例題では,普通に計算する解答1の方が計算が楽です。しかし, の解が, のように複雑になると,解答2の方が楽な場合もあります。
一般の場合
一般の場合
三次関数 の極値を,上記の2通りの方法で計算してみましょう(関数を 倍しても極値は 倍になるだけなので,三次の係数は のものを考えました)。
の解は,
よって, のとき極値が存在して,その値は,
※途中の式は複号同順です。
の解は,
ここで, を で割ると,
極値をとる場所では なので,極値は,
となります。
どちらも計算が大変でしたが,個人的には方法2の方が少しだけ楽だと感じました。みなさんも,ぜひ実際に計算してみてください!