ガンマ分布の意味と期待値、分散
確率密度関数が
で表される確率分布をガンマ分布と言う。 と は正のパラメータ。
ただし, はガンマ関数です。 が正の整数のときは です。→ガンマ関数(階乗の一般化)の定義と性質
ガンマ分布の意味
ガンマ分布の意味
ガンマ分布は, 期間 ごとに1回くらい起こるランダムな事象が 回起こるまでの時間の分布を表します(理由は後述)。
例えば「10年に一度の割合でランダムに起こるイベントが3回起こるまでに何年かかるか」という問題には「期待値は30年。確率分布としてはパラメータが , のガンマ分布が対応」と答えることができます。
ガンマ分布と指数分布の関係
ガンマ分布と指数分布の関係
ガンマ分布が,ランダムな事象が 回起こるまでの時間の分布であることは以下の2つから分かります。
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指数分布は期間 ごとに1回くらい起こるランダムな事象が 回起こるまでの時間の分布を表す。
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が互いに独立に平均 の指数分布に従うとき, はパラメータが と のガンマ分布に従う。
定理1の導出は指数分布の意味と具体例を参照してください。
定理2の導出は「帰納法+確率密度関数の畳込みの計算」でできます。モーメント母関数を使ってもできます(詳細は省略します)。
ガンマ分布の期待値,分散
ガンマ分布の期待値,分散
ガンマ分布の期待値は ,分散は です。
導出方法は3通りあります。
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定義に従って確率密度関数から計算
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モーメント母関数から計算
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指数分布との関係で述べた定理2を使って計算( が整数の場合のみ使える)
ここでは3つめの方法で計算してみます。
同様に,ガンマ分布の分散は,
(ただし, が独立なので和の分散が分散の和になることを用いた)
補足
補足
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ガンマ分布は が整数でない場合についても考えることができます。, とすれば自由度 のカイ二乗分布になります。→正規分布の二乗和がカイ二乗分布に従うことの証明
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ガンマ分布は正規分布の精度(分散の逆数)の共役事前分布です。
確率分布がマイブームです。