1. 高校数学の美しい物語
  2. 指数分布の意味と具体例

指数分布の意味と具体例

更新日時 2021/03/07

指数分布とは, ランダムなイベントの発生間隔を表す分布です。指数分布は「地震が起きる間隔」や「電球の寿命」などを表す分布として使われます。

この記事では, 指数分布の意味指数分布とポアソン分布との関係 などについて解説します。

目次
  • 指数分布の例と重要性

  • 指数分布の確率密度関数

  • ポアソン分布との関係

  • 指数分布の式の導出

  • 幾何分布との関係

  • 確率密度関数であることの確認

  • 指数分布の期待値の確認

指数分布の例と重要性

指数分布とは,ランダムなイベントの発生間隔を表す分布です。「ランダムなイベント」とは大雑把に言うと「起こる確率が常に一定である」ようなイベントのことです。例えば,

  • 地震が起きる間隔
  • 電球の寿命
  • 人とすれ違うタイミングの間隔

などは(おおよそ)指数分布に従うと言えます。

指数分布の確率密度関数

(平均が μ\mu である)指数分布の確率密度関数は

f(x)=1μexμ(x0)f(x)=\dfrac{1}{\mu}e^{-\frac{x}{\mu}}\:(x \geq 0)

となります。

参考:確率密度関数の意味と具体例

例えば,寿命が「平均 10001000 時間の指数分布」に従う電球について,寿命が 500500 時間以下となってしまう確率は,

0500f(x)dx=050011000ex1000dx=1e50010000.39\displaystyle\int_0^{500}f(x)dx\\ =\displaystyle\int_0^{500}\dfrac{1}{1000}e^{-\frac{x}{1000}}dx\\ =1-e^{-\frac{500}{1000}}\\ \fallingdotseq 0.39

のように計算できます。(つまり,約 3939 %であることが分かります)

ポアソン分布との関係

ランダムな(いつ起こるか分からない,不定期な)イベントは世の中にたくさんあります。指数分布,ポアソン分布はともに,そのようなイベントに関連した分布です。

(長い時間平均すると)時間 μ\mu あたり1回起こるような「ランダムなイベント」について,

1:イベントの発生間隔は平均 μ\mu の指数分布に従う

2:単位時間にイベントが起きる回数は平均 1μ\dfrac{1}{\mu} のポアソン分布に従う

発生間隔が長いほど,発生回数は小さくなることに注意してください。

ランダムな現象を 「発生間隔で捉えると指数分布,発生回数で捉えるとポアソン分布」と覚えておきましょう。

2についてはポアソン分布の意味と平均・分散で詳しく解説しています。1については以下で証明します。

指数分布の式の導出

では,なぜ「ランダムなイベントの発生間隔」を表す指数分布が,確率密度関数が

f(x)=1μexμf(x)=\dfrac{1}{\mu}e^{-\frac{x}{\mu}}

である指数分布で表されるのでしょうか?

少し難しいですが,これを証明してみます。

証明

Δx\Delta x が十分小さいとき,時刻 xx から x+Δxx+\Delta x の間にイベントが発生する確率を二通りの方法で求める。

・確率密度関数の定義により f(x)Δxf(x)\Delta x

・(時刻 xx までイベントが起こらない確率)×(それから Δx\Delta x の間に起こる確率)

(10xf(t)dt)×1μΔx(1-\displaystyle\int_0^xf(t)dt)\times \dfrac{1}{\mu}\Delta x

ただし「発生間隔の平均が μ\mu であるランダムなイベント」が「時間 Δx\Delta x の間に起こる確率」は 1μΔx\dfrac{1}{\mu}\Delta x であることを用いた。

よって,

f(x)=1μ1μ0xf(t)dtf(x)=\dfrac{1}{\mu}-\dfrac{1}{\mu}\displaystyle\int_0^{x}f(t)dt

両辺を xx で微分すると,

f(x)=1μf(x)f'(x)=-\dfrac{1}{\mu}f(x)

この微分方程式を解くと,f(x)=Cexμf(x)=Ce^{-\frac{x}{\mu}}

確率密度関数であるので 0f(x)dx=1\displaystyle\int_0^{\infty} f(x)dx=1 となるように定数 CC を定めると,C=1μC=\dfrac{1}{\mu} を得る。

つまり,f(x)=1μexμf(x)=\dfrac{1}{\mu}e^{-\frac{x}{\mu}}

※求める確率密度関数が滑らか(微分可能)であることは仮定しました。

確率密度関数であることの確認

指数分布は確率密度関数が比較的単純なので,分布のいろいろな量を求めるよい計算練習になります。そのため,各種試験(アクチュアリー,大学院入試など)に頻出,という意味でも重要です。

例えば,指数分布の確率密度関数:

f(x)=1μexμ(x0)f(x)=\dfrac{1}{\mu}e^{-\frac{x}{\mu}}\:(x \geq 0)

が確かに確率密度であることを確認します。

証明

0f(x)dx=[exμ]0=1\displaystyle\int_0^{\infty}f(x)dx=[-e^{-\frac{x}{\mu}}]_0^{\infty}=1 よりOK。

指数分布の期待値の確認

指数分布の平均(期待値)が μ\mu であることを確認します。

証明には部分積分,および limxxex=0\displaystyle\lim_{x\to\infty}xe^{-x}=0 を用います。

指数分布の平均の証明

E[X]=0xf(x)dxE[X]=\displaystyle\int_0^{\infty}xf(x)dx

=0xμexμdx\displaystyle\int_0^{\infty}\dfrac{x}{\mu}e^{-\frac{x}{\mu}}dx

=[xexμ]0+0exμdx\left[-xe^{-\frac{x}{\mu}}\right]_0^{\infty}+\int_0^{\infty}e^{-\frac{x}{\mu}}dx

=0+[μexμ]00+\left[-\mu e^{-\frac{x}{\mu}}\right]_0^{\infty}

=μ\mu

ちなみに,指数分布の分散は μ2\mu^2 です。

3日間誰からもメールが来ない寂しい時期もあれば,1日に大量にメールが来る日もあるのが納得できます。

Tag:いろいろな確率分布の平均,分散,特性関数などまとめ

人気記事
  1. 高校数学の美しい物語
  2. 指数分布の意味と具体例