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コーシーリーマンの関係式と微分可能性

更新日時 2021/03/07

f(z)f(z) が複素関数の意味で微分可能

    \iff

f(z)f(z) の実部と虚部が2変数実関数の意味で全微分可能,かつコーシーリーマンの関係式が成立する。

目次
  • 問題設定

  • 微分可能性

  • コーシーリーマンの関係式と具体例

  • 冒頭の定理の証明

問題設定

f(z)f(z) は複素数から複素数への関数です。

f(z)f(z) の実部と虚部をそれぞれ u,vu,v とします。つまり,複素数 z=x+iyz=x+iy を入力したときの出力を f(x+iy)=u(x,y)+iv(x,y)f(x+iy)=u(x,y)+iv(x,y) と書きます。

x,y,u,vx,y,u,v は実数)

以下では複素関数の微分可能性について考えます。

微分可能性

1変数実関数の微分可能性

実関数 f(x)f(x)x=x0x=x_0 で微分可能とは,

limxx0f(x)f(x0)xx0\displaystyle\lim_{x\to x_0}\dfrac{f(x)-f(x_0)}{x-x_0} が存在するという意味です。

1次近似の形で表現すると,ある実数 RR が存在して

f(x)=f(x0)+R(xx0)+o(xx0)f(x)=f(x_0)+R(x-x_0)+o(|x-x_0|)

と表せるという意味です。

2変数実関数の全微分可能性

2変数実関数 f(x,y)f(x,y)(x,y)=(x0,y0)(x,y)=(x_0,y_0) で全微分可能とは,ある実数 A,BA,B が存在して

f(x,y)=f(x0,y0)+A(xx0)+B(yy0)+o((xx0)2+(yy0)2)f(x,y)\\ =f(x_0,y_0)+A(x-x_0)+B(y-y_0)\\ +o(\sqrt{(x-x_0)^2+(y-y_0)^2})

と表せるという意味です。

1変数複素関数の微分可能性

同様に,複素関数 f(z)f(z)z=z0z=z_0 で微分可能とは,

limzz0f(z)f(z0)zz0\displaystyle\lim_{z\to z_0}\dfrac{f(z)-f(z_0)}{z-z_0} が存在するという意味です(zzz0z_0 へどのように近づいても同じ極限値が存在しないといけない)。

1次近似の形で表現すると,ある複素数 ZZ が存在して

f(z)=f(z0)+Z(zz0)+o(zz0)f(z)=f(z_0)+Z(z-z_0)+o(|z-z_0|) となるという意味です。

コーシーリーマンの関係式と具体例

コーシーリーマンの関係式(方程式)

ux=vy\dfrac{\partial u}{\partial x}=\dfrac{\partial v}{\partial y}uy=vx\dfrac{\partial u}{\partial y}=-\dfrac{\partial v}{\partial x}

例題

f(z)=z2f(z)=z^2 についてコーシーリーマンの関係式が成立していることを確認せよ。

解答

f(x+iy)=(x2y2)+2xyif(x+iy)=(x^2-y^2)+2xyi

なので,u=x2y2,v=2xyu=x^2-y^2,v=2xy

偏微分を計算すると,ux=vy=2x\dfrac{\partial u}{\partial x}=\dfrac{\partial v}{\partial y}=2xuy=vx=2y\dfrac{\partial u}{\partial y}=-\dfrac{\partial v}{\partial x}=-2y となっている。

冒頭の定理の証明

必要性と十分性を同時に示します。

証明

f(z)f(z)z=z0z=z_0 において複素関数の意味で微分可能

    \iff ある複素数 Z=A+BiZ=A+Bi が存在して f(z)=f(z0)+(A+Bi)(zz0)+o(zz0)f(z)=f(z_0)+(A+Bi)(z-z_0)+o(|z-z_0|)

ここで,z=x+iy,z0=x0+iy0z=x+iy,z_0=x_0+iy_0 として計算すると,

u(x,y)+iv(x,y)=u(x0,y0)+iv(x0,y0)+(A+Bi)(xx0+iyiy0)+o(zz0)u(x,y)+iv(x,y)\\ =u(x_0,y_0)+iv(x_0,y_0)\\ +(A+Bi)(x-x_0+iy-iy_0)+o(|z-z_0|)

となる。

これを実部と虚部にわけると,

u(x,y)=u(x0,y0)+A(xx0)B(yy0)+o(zz0)u(x,y)\\ =u(x_0,y_0)+A(x-x_0)-B(y-y_0)\\ +o(|z-z_0|) v(x,y)=v(x0,y0)+B(xx0)+A(yy0)+o(zz0)v(x,y)\\ =v(x_0,y_0)+B(x-x_0)+A(y-y_0)\\ +o(|z-z_0|)

よって,上の条件が成立

    \iff

u,vu,v が2変数の実関数の意味で微分可能(u,vu,v が1次近似できる),かつ (x0,y0)(x_0,y_0) においてコーシーリーマンの関係式(uuvv の1次近似式の間の関係式)が成立

複素関数の記事も少しずつ書いていきたいですね。

Tag:数検1級の範囲と必要な公式まとめ

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