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運動量保存則とエネルギー保存則の導出

更新日時 2021/03/07

運動方程式を

  • tt で積分すると運動量保存則を導出できる

  • vv をかけて tt で積分すると力学的エネルギー保存則を導出できる

目次
  • やりたいこと

  • 運動量保存則の導出

  • エネルギー保存則の導出

やりたいこと

運動方程式はニュートン力学の基本原理です。証明すべき「定理」ではありません。

一方,運動量保存則,エネルギー保存則,角運動量保存則(大学物理で習う)は原理ではなく,運動方程式(と作用反作用の法則)から導出することができる「定理」です。

というわけで,この記事では運動方程式から運動量保存則,エネルギー保存則を導出します。微分,積分を用いるので高校範囲外ですが,難関大受験者には理解してほしい内容です。

なお,簡単のため一次元の運動を考えます(三次元の場合も同様に証明できます)。

運動量保存則の導出

運動方程式から以下の二つを導出します。

  1. 運動量の変化は受けた力積 II に等しい: mVmv=ImV-mv=I

  2. 外力を受けない系の運動量は保存される: k=1nmkvk=\displaystyle\sum_{k=1}^{n}m_kv_k=一定

1では一つの物体,2では nn 個の物体からなる系について考えています。一つ目の式で vv は力積を受ける前の速度,VV は力積を受けた後の速度です。

1の導出

運動方程式 ma=Fma=F の両辺を tt で積分すると,

mdvdtdt=Fdtm\displaystyle\int \dfrac{dv}{dt} dt=\displaystyle\int Fdt

この式の右辺は力積 II であり,左辺は置換積分を使うと mVmvmV-mv となる。

2の導出

各物体について 11 が成立するので,mkVkmkvk=Ikm_kV_k-m_kv_k=I_k

これを全ての kk について足し合わせると,

k=1nmkVkk=1nmkvk=k=1nIk\displaystyle\sum_{k=1}^nm_kV_k-\displaystyle\sum_{k=1}^nm_kv_k=\displaystyle\sum_{k=1}^nI_k

ここで,作用反作用の法則より,系が外力を受けない場合上式の右辺は 00 である。よって2が示された。

エネルギー保存則の導出

運動方程式から以下の二つを導出します。

  1. 運動エネルギーの変化は物体がされた仕事 WW に等しい: 12mV212mv2=W\dfrac{1}{2}mV^2-\dfrac{1}{2}mv^2=W

  2. 物体に加わる力が保存力のみである場合,物体の力学的エネルギーは保存される: 12mV2+U=12mv2+u\dfrac{1}{2}mV^2+U=\dfrac{1}{2}mv^2+u

ただし,uu は保存力を受ける前の位置エネルギー,UU は保存力を受けた後の位置エネルギーです。

1の導出

運動方程式の両辺に vv をかけて tt で積分すると,

mvadt=Fvdt\displaystyle\int mvadt=\displaystyle\int Fvdt

右辺は Fdx\displaystyle\int Fdx であり,物体がされた仕事 WW と一致する。左辺は,

mvxdvxdtdt=mvxdvx=12mV212mv2\displaystyle\int mv_x\dfrac{dv_x}{dt}dt\\ =\displaystyle\int m v_xdv_x\\ =\dfrac{1}{2}mV^2-\dfrac{1}{2}mv^2

となる。

2の導出

保存力の定義(F=dUdxF=-\dfrac{dU}{dx} )より,W=Fdx=uUW=\displaystyle\int Fdx =u-U である。これと1を合わせると2を得る。

物理の教科書は何が原理で何が定理なのか分かりやすく書いて欲しいですね!

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