条件付き確率の意味といろいろな例題
条件付き確率の意味をわかりやすく説明します,いろいろな例題(サイコロ,男の子か女の子か問題,病気の検査の問題)を紹介します。
条件付き確率の定義と意味
条件付き確率の定義と意味
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「事象 が起きた」と分かったもとでの事象 が起こる確率を条件付き確率と言い, などと書きます。
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数式による定義は, です。ベン図を見ると理解しやすいです。
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全事象を とし, に属する場合の数を などと書くと なので,条件付き確率は と書くこともできます。
※私が条件付き確率を初めて学んだとき,定義は分かるけどだから何なの〜?って思いました。 条件付き確率の意味,イメージをつかむには具体例が一番です。そこで,以下では3つの例題を通じて条件付き確率の理解を目指します。
例題1:サイコロ
例題1:サイコロ
最初は簡単な例ですが,条件付き確率の考え方を理解するのに役立ちます。
(平等な)サイコロを1つ振った。出目を見逃してしまったが,友人が出目は偶数だと教えてくれた。このとき出目が 以上であった確率を求めよ。
注:直感的にすぐ だと分かる人もいると思います。条件付き確率の定義に従ってきちんと答えてみます。
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:出目が偶数(つまり出目が )
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:出目が 以上(つまり出目が )
とするとき,求める確率は である。
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方法1(確率を求めて比をとる)
より, -
方法2(場合の数を求めて比をとる)
より
例題2:男の子か女の子か
例題2:男の子か女の子か
有名な問題です。
ある夫婦には子供が二人いる。二人のうち少なくとも一人は男の子ということが分かった。このとき,二人とも男の子である確率を求めよ。ただし,男の子が生まれる確率,女の子が生まれる確率はともに とする。
- :少なくとも一人は男の子
- :二人とも男の子
とすると,求める確率は
ここで,
-
(男男,男女,女男,女女のうち女女以外の確率) -
よって, である。
注:問題文中の「少なくとも一人が男の子」を「年上の方が男の子」という表現に変えると答えは になります(年下が男の子である確率は )。
例題3:陽性か陰性か
例題3:陽性か陰性か
次も非常に有名な話題です。
とある病気にかかっているか判定する検査について考える。この病気は 万人に一人が罹患している。「病気なのに陰性と判定してしまう確率」「病気でないのに陽性と判定してしまう確率」はともに であるとする。太郎さんが陽性と判定されたとき,本当に病気にかかっている確率を求めよ。
- :太郎さんが陽性と判定される
- :太郎さんが病気に罹患している
とすると,求める確率は
ここで, は,以下の2つの和である。
- 「病気」かつ検査が正しく陽性になる確率:
- 「病気でない」かつ検査が間違えて陽性になる確率:
これを計算すると, となる。一方,
よって,
つまり,陽性と判断されても本当に病気である確率は %しかないのです!
罹患率の低い病気について,一回の検査結果で陽性と判断するのは危険ということですね。