東大2020
n,k を,1≤k≤n を満たす整数とする。n 個の整数
2m(m=0,1,2,⋯,n−1)
から異なる k 個を選んでそれらの積をとる。k 個の整数の選び方すべてに対しこのように積をとることにより得られる nCk 個の整数の和を an,k とおく。例えば,a4,3=20⋅21⋅22+20⋅21⋅23+20⋅22⋅23+21⋅22⋅23=120
である。
(1) 2 以上の整数 n に対し,an,2 を求めよ。
(2) 1 以上の整数 n に対し,x についての整式
fn(x)=1+an,1x+an,2x2+⋯+an,nxn
を考える。fn(x)fn+1(x) と fn(2x)fn+1(x) を x についての整式として表せ。
(3) an,kan+1,k+1 を n,k で表せ。
証明
定義より
fn(x)=(1+x)(1+2x)⋯(1+2nx)
となる。
(1)
q-二項定理より
an,2=(2n)2222(2−1)=[2]2![n−2]2![n]2!2=[2]2![1]2![n]2![n−1]2!=1−21−22×1−21−211−21−2n×1−21−2n−1×2=31(22n−1−2n−2n−1+1)×2=34n−2n+31
である。
(2)
fn(x)fn+1(x)fn(2x)fn+1(x)=(1+x)(1+2x)⋯(1+2nx)(1+x)(1+2x)⋯(1+2n+1x)=1+2n+1x=(1+2x)(1+22x)⋯(1+2n+1x)(1+x)(1+2x)⋯(1+2n+1x)=1+x
(3)
an,kan+1,k+1=[k+1]2![n−k]2![n+1]2!×[n]2![k]2![n−k]2!×221k(k−1)221k(k+1)=[k+1]2[n+1]2×2k=2k+1−12n+1−1×2k