三乗根(立方根)の意味と計算をわかりやすく
3乗して になる数のことを の立方根 または の三乗根といいます。
実数の三乗根(のうち実数のもの)
実数の三乗根(のうち実数のもの)
任意の実数 に対して,三乗して になる実数が1つ存在します。これを と書きます。
なので,
がマイナスでも三乗根はただ1つ存在します。
なので,
※2乗してマイナスになる実数は存在しないので は実数の範囲で存在しませんでしたが, は存在します。
三乗根の近似値の求め方
例えば,2の3乗根は です。この近似値の求め方を3通り紹介します。
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とにかく近似値が知りたい場合:
Google 検索で「cubic root of 2」と検索しましょう。 -
大雑把な値を手計算したい場合:
有効数字2ケタ程度なら,愚直に計算することもできます。例えば , なので です。 -
数値計算したい場合(難しい):
という関数にニュートン法を使えばよいです。→ニュートン法の解説とそれを背景とする入試問題
三乗根を含む式の計算
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です。ルートの場合は でしたが,三乗根の場合はそのまま外せます。
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です。例えば, のように計算できます。
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です。例えば, のように計算できます。
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です。一部を三乗根の外側に出せます。例えば, です。
1の三乗根
1の三乗根
ここから複素数の三乗根を考えますが,それに向けて重要な役割を果たすのが「1の三乗根」です。
3乗して になる複素数は3つある。具体的には,
と
を解けばよい。移項すると である。因数分解すると, さらに,うしろの2次方程式の解は,解の公式より なので,1の三乗根は
1の三乗根のうち複素数のもの (のうちのどちらか1つ)を (オメガ)と表します。1の三乗根オメガを用いた計算と因数分解
複素数の三乗根
複素数の三乗根
以下, とします。1の3乗根です。
- 任意の複素数 に対して, の三乗根は3つある。
- それら3つのうちの1つを とおくと,残りの2つは となる。
- それら3つは複素数平面上で正三角形をなす。
例えば, の3乗根は の 3つです。複素数平面で表すと,図のように正三角形をなします。
なお,三乗根が理解できれば,四乗根や一般の 乗根も同じように理解できます。→累乗根の定義と具体例
2乗根ではなく平方根と言うことが多いのに,立方根ではなく3乗根と言うことが多い気がします。