上三角化の方法(n×n のとき)
- (ノルムが 1 の)固有ベクトルを1つ持ってくる。
- 固有ベクトルと直交する(ノルムが 1 の)ベクトルを n−1 個用意する。特に互いに直交するように取る。
- n個のベクトルを並べてできた行列で挟む。
- 挟んだら (1O∗A′)(A′ は (n−1)×(n−1) 行列)となるため,A′ に対して 1~3 をする。
- 以下繰り返し。
ステップが増えました。実際に計算してみてステップが増えることを実感しましょう。
上三角化の例(3×3)
A=⎝⎛111021100⎠⎞
を上三角化してみましょう。
ステップ1
∣A−λI∣=−λ3+3λ2−λ−1 と計算されます。これは λ=1 を根に持ちます。よって固有値 1 に対する固有ベクトルを用意するとよいです。
計算すると ⎝⎛1−10⎠⎞ が固有値 1 に対する固有ベクトルになります。
ステップ2
⎝⎛110⎠⎞,⎝⎛001⎠⎞ はステップ1で求めたベクトルと直交します。
※ もしここで互いに直交しないベクトルを取ってしまった場合も大丈夫です。グラム・シュミットの直交化法 により直交するようにできます。
ステップ3
P1=⎝⎛1−10110001⎠⎞ とおきます。逆行列を計算すると P1−1=⎝⎛21210−21210001⎠⎞ となります。
実際に挟んでみましょう。
P1−1AP1=⎝⎛21210−21210001⎠⎞⎝⎛111021100⎠⎞⎝⎛1−10110001⎠⎞=⎝⎛21210−21210001⎠⎞⎝⎛1−10132100⎠⎞=⎝⎛100−12221210⎠⎞
となりました。
右下の 2×2 行列を上三角化したくなりますね。
ステップ4
右下の 2×2 行列 B=(22210)
を上三角化する。
まず固有値を求める:∣B−λI∣=∣∣2−λ221−λ∣∣=(2−λ)(−λ)−1=λ2−2λ−1
λ=1±2
それぞれの固有値に対する固有ベクトルは
λ=1+2:⎝⎛21+21⎠⎞
λ=1−2:⎝⎛21−21⎠⎞
これらを並べてQ=⎝⎛21+2121−21⎠⎞
とおく。
すると detQ=2 より Q は正則で,逆行列は
Q−1=21⎝⎛1−1−21−221+2⎠⎞
である。
このとき
Q−1BQ=(1+2001−2)
となり,B は上三角化(実際には対角化)できる。
したがって,元の 3×3 行列に戻すために
P2=⎝⎛100021+21021−21⎠⎞
とおけば,
P2−1(P1−1AP1)P2=⎝⎛100−221+202201−2⎠⎞
と上三角化できる。
よって P=P1P2 とすれば P−1AP は上三角行列となる。