カプレカ数(特に3桁の場合)について

3桁のカプレカ数は 495495 のみである。

4桁のカプレカ数は 61746174 のみである。

カプレカ数の意味,および関連する性質について解説します。

カプレカ操作,カプレカ数とは

正の整数 nn に対して,

nn の各桁を大きい順に並べた数」ー「 nn の各桁を小さい順に並べた数」

で得られる整数を K(n)K(n) とします。

n=175n=175  → K(n)=751157=594K(n)=751-157=594

n=3030n=3030  → K(n)=330033=3267K(n)=3300-33=3267

そして,カプレカ操作で不変な数,つまり K(n)=nK(n)=n を満たす正の整数 nn をカプレカ数と言います。

注:「カプレカ数」という言葉を別の意味で使うこともあるので注意してください。

3桁のカプレカ数が495のみであることの証明

4桁はわりと煩雑なので3桁についてのみ証明します。

証明

3桁のカプレカ数 nn の各桁の数字を大きい順に並べたものを abcabc とする。

0cba90\leq c\leq b\leq a\leq 9 である。

このとき,

(100a+10b+c)(100c+10b+a)=99(ac)(100a+10b+c)-(100c+10b+a)=99(a-c)

より nn9999 の倍数である。あとは 9999 の倍数を1つずつ調べればよい。

198198981189=792981-189=792  ダメ

297297972279=693972-279=693  ダメ

396396963369=594963-369=594  ダメ

495495954459=495954-459=495  OK

594594954459=495954-459=495  ダメ

693693963369=594963-369=594  ダメ

792792972279=693972-279=693  ダメ

891891981189=792981-189=792  ダメ

99099099099=891990-99=891  ダメ

カプレカ操作を繰り返す

3桁の整数に対してカプレカ操作を繰り返すと,必ず 00495495 になって,そのままその数字を繰り返す。

4桁の整数に対してカプレカ操作を繰り返すと,必ず 0061746174 になって,そのままその数字を繰り返す。

365365653356=297653-356=297

297297972279=693972-279=693

693693963369=594963-369=594

594594954459=495954-459=495

これ以降 495495 を繰り返す。

なお,nn の全ての桁の数字が同じ場合,K(n)=0K(n)=0 であり,それ以降 00 を繰り返します(つまらない場合)。

さきほどと同じく,4桁はわりと煩雑なので3桁についてのみ証明します。

証明

nn が3桁の正の整数のとき,

  • K(n)K(n)9999 の倍数である。

  • 9999 の倍数は何回かカプレカ操作を繰り返すと 495495(または 00)になる。

より分かる(上の2つはさきほどの証明から分かる)。

なお,5桁の場合上のような性質は成立しません(55 桁のカプレカ数は存在しない)。例えば,

53955539559555335559=5999495553-35559=59994

59994599949995445999=5395599954-45999=53955

となり,53955539555999459994 を交互に繰り返します。

最近読者の方がいろいろと面白いネタを教えて下さるので助かっています!