モーザー数列
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円周上に 個の頂点を打ち,その全ての2頂点間を線分で結ぶ。このとき,円は 個の領域に分割されるとする。
の最大値は
Moser’s circle problem という問題です。数列 をモーザー数列と言います。
が小さい場合
が小さい場合
,,
(円に内接する三角形は領域を4つに分割する),
(円に内接する四角形は領域を8つに分割する),
となります。 と予想したくなりますが,実は違うというのが面白いです()。最初の数項だけでは数列は1つに決まりません!
一般の位置
一般の位置
3つの線分が一点で交わる場合には,1つの頂点をほんの少しだけズラすことでそのような点を解消し,領域を1つ増やすことができます。
1つの頂点をズラすと別の点で「3つの線分が一点で交わる」という現象が起こる可能性もありますが,ズラす度合いを調節する(調節の仕方は無数にある)ことで,このような場合は排除できます。
よって,以下では3つの線分が一点で交わらない状況を考えます。このような場合を「 個の頂点が一般の位置にある場合」と呼ぶことにします。
冒頭の定理の証明
冒頭の定理の証明
主張: 個の頂点が一般の位置にある場合, は で一定
を帰納法で証明します。後半は単純な数列の計算です。→べき乗の和の公式
のときは明らか。
のとき主張が正しいと仮定する。 個の頂点が一般の位置にある場合について考える。頂点を(時計回りの順番で) とする。
たちを結ぶ線分によって領域は 個に分割される(帰納法の仮定)。そこに線分 を追加することで領域がいくつ増えるかを考える。
線分 は 本の線分とぶつかるので,領域を 個増やす。
よって, を追加することで,領域は
個増える。
よって, 個の頂点が一般の位置にある場合の領域の個数は
これが と等しいことは簡単な計算で確認できる。
私は「数列の最初の数項から次の項を求めよ」というクイズがあまり好きではないです。