不等号の意味といろいろな種類

不等号の意味と読み方,および3種類の等号つき不等号について整理しました。

不等号の意味と読み方

以下,aabb は実数とします。基本的には,以下の4種類を理解しておけばよいです。

1.「以上」

  • aba\geqq b
  • 意味: aabb 以上である
  • 例:31+13\geqq 1+1
  • 読み方: aa 大なりイコール(だいなりいこーる)bbaabb 以上
  • 英語: aa is greater than or equal to bb, aa is not less than bb, aa is at least bb

2.「以下」

  • aba\leqq b
  • 意味: aabb 以下である
  • 読み方: aa 小なりイコール(しょうなりいこーる)bbaabb 以下
  • 英語: aa is less than or equal to bb, aa is not greater than bb, aa is at most bb

3「より大きい」

  • a>ba> b
  • 意味: aabb より大きい
  • 読み方: aa 大なり bbaabb より大きい
  • 英語:aa is greater than bb

4「より小さい」

  • a<ba< b
  • 意味: aabb より小さい
  • 読み方: aa 小なり bbaabb より小さい
  • 英語: aa is less than bb

読み方はそれぞれ2つ書いていますが,1つめがきちんとした読み方,2つめは実際によく使う読み方です。多くの場合「大なりイコール」などと言わずに単に「左辺は右辺以上」などと言えば伝わります(むしろその方が伝わりやすいかもしれません)。

等号つきの不等号の種類

「以上」を表す不等号には ,,\geqq,\geq,\geqslant の3種類,「以下」を表す不等号には ,,\leqq,\leq,\leqslant の3種類があります。3種類とも同じ意味です。

  • ,\geqq,\leqq
    中学数学,高校数学では基本的にこの記号が使われます。\geqq>>== を組み合わせた記号で「大きいまたは等しい」という意味が分かりやすいです。texではそれぞれ\geqq,\leqqと書きます。

  • ,\geq,\leq
    大学以降の数学では基本的にこの「イコールの部分を1本線にした記号」が使われます。当サイトではほとんどの場合この記号を使っています。texではそれぞれ\geq,\leqと書きます。

  • ,\geqslant,\leqslant
    古い本や論文でときどき見かける記号です。texではそれぞれ\geqslant,\leqslantと書きます。

不等号と関連する記号

  • ,\gg,\ll
    「はるかに大きい」「はるかに小さい」という大雑把な意味で使うことがあります。例えば,nn が大きいとき 2nn1002^n\gg n^{100} という感じです。texではそれぞれ\gg,\llと書きます。

  • ,\succ,\prec
    ABA-B が正定値行列のときに ABA\succ B と書くことがあります。texではそれぞれ\succ,\precと書きます。

  • ,\succeq,\preceq
    ABA-B が半正定値行列のときに ABA\succeq B と書くことがあります。texではそれぞれ\secceq,\preceqと書きます。

,\geqq,\leqq などが顔文字に見えます。