凸包に関するカラテオドリの定理とその証明
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が の部分集合 の凸包に含まれているとき, から 個の点をうまく選んでくれば,その 個の点の凸包に が含まれるようにできる。
カラテオドリの定理の意味・具体例・証明を解説します。
※測度論におけるカラテオドリの定理もあります。ここでは「凸包に関する」カラテオドリの定理を紹介します。
定理に登場する用語の意味
定理に登場する用語の意味
- は 次元ユークリッド空間です。 のときは数直線, のとき座標平面, のときは座標空間をイメージしてもらえればOKです。
- 集合 の凸包とは, を含む最小の凸集合(へこんでいない領域)です。 のときは,点のところに釘を打って輪ゴムをかけるというイメージです。
平面におけるカラテオドリの定理
平面におけるカラテオドリの定理
の場合でカラテオドリの定理の主張を確認してみます。
が平面の部分集合 の凸包に含まれているとき, から 個の点をうまく選んでくれば,その 個の点を頂点とする三角形に が含まれるようにできる。
例えば,図において凸包に含まれている点は必ず三つの三角形のいずれか(境界も含む)に含まれているのでカラテオドリの定理は成立しています。
二次元で凸包が多角形の場合,凸包を三角形分割すればそりゃそうだろって感じはしますね。
カラテオドリの定理の証明
カラテオドリの定理の証明
が の凸包に含まれる
→ が の有限個の点 の凸結合で書ける
ことは認めます。
が の凸包に含まれるので, の有限個の点 を用いて と書ける(*)。
ただし,
「今のところ は 個の点の凸結合で表現されているが,もし なら,係数 を調整することで 個の凸結合でも表現できる」ことを証明すればOK(一つずつ減らしていって 個の点の凸結合で書けることが言える)。
さて, なら, 本のベクトル は一次従属なので,
と表現できる。ただし, となる が存在する。
これを使って を表す式(*)をズラす:
ただし,
ここで, に注意する。
を適切に選んでやると のいくつかは で残りは全て正になるようにできる(→注)。つまり, が 個以下の の点の凸結合で表せたことになる。
注: たちはもともと非負であり, となる が存在するので を から少しずつ動かしていく( が正なら を減らしていく, が負なら を増やしていく)とどこかで となる が出現する。
なお,証明はWikipediaを参考にしました。
空手踊りの定理。名前のインパクトは抜群です。
Tag:数学の定理No.1決定戦