証明
正規分布の確率密度関数より,x が従う分布は
P(xA,xB)=Cexp{−21(x−μ)⊤Σ−1(x−μ)}
である(C は正規化定数)。既知の部分 xB と未知の部分 xA にわけて計算したいが,Σ−1 は分割できない。そこで,ブロック行列の逆行列の公式の証明中の式(と類似のもの):
Σ−1=(I−ΣBB−1ΣBAOI)(S−1OOΣBB−1)(IO−ΣABΣBB−1I)
(ただし,S=ΣAA−ΣABΣBB−1ΣBA)
を使って2次形式の部分を分解すると,
(x−μ)⊤Σ−1(x−μ)={(xA−μA)−ΣABΣBB−1(xB−μB)}⊤S−1{(xA−μA)−ΣABΣBB−1(xB−μB)}+(xB−μB)⊤ΣBB−1(xB−μB)
となる。この第二項から P(xB) が出てくるので,
P(xA,xB)=f(xA,xB)×P(xB)
という形になる。ただし,f は上記第一項から出てくる分布(exp の中身が多変数の2次関数なので,多変量正規分布)。
よって,求める条件付き分布は,
P(xA∣xB)=P(xB)P(xA,xB)
なので,f である。つまり,多変量正規分布であり,その平均 μA∣B と分散共分散行列 ΣA∣B は以下のようになる:
μA∣B=μA+ΣABΣBB−1(xB−μB)
ΣA∣B=S=ΣAA−ΣABΣBB−1ΣBA