【解答・解説】東大理系数学2025 第4問
この問いでは, 以上の整数の2乗になる数を平方数と呼ぶ。 を正の整数とし, とおく。
- を正の整数とする。 が平方数ならば, であることを示せ。
- が平方数となる正の整数 の個数を とおく。次の条件 (i),(ii) が同値であることを示せ。
- (i) である。
- (ii) は素数である。
この記事では東京大学理系数学第4問を解説します。
多項式に絡んだ整数問題は2024年理系第6問に続き,2年連続の出題となりました。ぞれぞれ全く異なるアプローチが必要で,総合力が問われます。第4問にしては難しいかもしれません。
解答
解答
(1)
であると仮定する。
このとき である。 の次の平方数は である。一方, であるため, である。よって, であれば は平方数ではない。対偶を取ることで題意を得る。
隣り合う平方数の差を見る議論は2019年理系数学第4問でも見られるように,難関大学を受験する上では抑えておきたいテクニックです。
(2)
文字式が出る整数問題で「素数」という単語が出てきたら,因数分解を試みましょう。
(1) より である。
とおく。( は正の整数)
このとき次の式が成立する。 左辺を因数分解すると を得る。
また, は平方数であるため, である。
- (ii) (i)
今 は素数であるため, (複合同順)である。
, から , となる。
方程式を解いて と一位に定まる。よって である。
- (i) (ii)
対偶を取り, が素数ではない仮定の下で議論をする。
が合成数であることと, より を満たす ではない整数 が存在する。
上の方程式を解くと を得る。
このとき が整数であることを示せば, と合わせて となり,対偶が従う。
さて, を で割った余りをそれぞれ とする。 は奇数であるため, どちらも素数であるため のいずれかである。 より, を で割った余りは である。これを満たすものは である。
どちらの場合も を で割った余りは となり, は の倍数である。こうして は整数であることが分かった。
以上より題意が示される。
大変すばらしい問題でした。