例
B=⎝⎛2−1−2−1112−1−2⎠⎞ とおく。
線型写像 g:R3→R3 を g(x)=Bx と定める。
固有方程式は
∣B−tI∣=∣∣2−t−1−2−11−t12−1−2−t∣∣=(2−t)(1−t)(−2−t)−2−2+4(1−t)−(−2−t)+(2−t)=t2−t3
である。よって固有値は 0,1 である。
固有値 1 の固有ベクトルは v1=⎝⎛−111⎠⎞,固有値 0 の固有ベクトルは v2=⎝⎛10−1⎠⎞ である。
ここで標準基底から固有ベクトルへ基底を取り換えたいが,2つしかないため固有ベクトルだけでは R3 を張ることができない。固有値 0 の重複度が 2 であるため,ここの広義固有空間を考える。
すなわち (A−0⋅I)x=v2 を満たす元を求める。この解として v3=⎝⎛110⎠⎞ を取る。
これらの元について
Bv1Bv2Bv3=1⋅v1=0⋅v2=1⋅v2+0⋅v3
となり,v1,v2,v3 は R3 の基底となる。
以上より基底 {v1,v2,v3} から基底 {v1,v2,v3} への g の表現行列は
⎝⎛100000010⎠⎞
である。
行列の形で表すと
(v1v2v3)⎝⎛100000010⎠⎞=B(v1v2v3)
となる。
Q=(v1v2v3) とすると,ジョルダン標準型への変換
Q−1BQ=⎝⎛100000010⎠⎞
が得られる。