証明
不等式パート
定数 M>0 を任意に取る。
∣z∣<M かつ ∣ω∣>2M ならば,
∣∣(z−ω)21−ω21∣∣≦∣ω∣310M
が成立することを示す。まず,
(z−ω)21−ω21=ω3(1−ωz)22z(1−2ωz)
さらに ∣ω∣>2M のもとで,
∣z∣∣z−ω∣≦21⋅2M≦21∣ω∣≧∣ω∣−∣z∣≧∣ω∣−M≧21∣ω∣
であるため,
∣∣1−2ωz∣∣∣∣1−ωz∣∣≦1+2∣ω∣∣z∣≦1+2∣ω∣12∣ω∣=45=∣ω∣∣ω−z∣≧2∣ω∣∣ω∣1=21
である。こうして
∣∣(z−ω)21−ω21∣∣=∣ω∣32∣z∣∣∣1−ωz∣∣∣∣1−2ωz∣∣≦∣ω∣32M⋅45⋅12=∣ω∣310M
を得る。
収束パート
ω∈Λ\{0}∑((z−ω)21−ω21)
が収束することを示したい。∣ω∣≦2M の部分の和は有限個なので無視する。∣ω∣>2M の部分では上の不等式が使える。
よって,
ω∈Λ\{0},∣ω∣>2M∑∣ω∣31 が収束することを示せばよい。
ω は格子 {aω1+bω2∣a,b∈Z} 全体を動くが,max{∣a∣,∣b∣} でグループ分けして考える。この第 n グループの ω を集めた集合を Pn とおく:
Pn={aω1+bω2∣a,b∈Z,max(∣a∣,∣b∣)=n}
max{∣a∣,∣b∣}=n となるのは(正方形の周上の格子点の数を数えて)8n 個である。さらに,r>0 を十分小さく取れば,任意の n,ω∈Pn に対して ∣ω∣≧nr となるようにできる。(任意の ω∈P1 に対して ∣ω∣≧r となるような小さい r を取ればよい)
よって
ω∈Λ\{0}∑∣ω∣31=n=1∑∞ω∈Λ∩Pn∑∣ω∣31≦n=1∑∞n3r38n=r31n=1∑∞n21<∞
であり,収束する。