入試数学コンテスト第5回第5問解答解説
第5問 [対数・整数]
第5問 [対数・整数]
を十進法表記したときの最高位の数字を並べた数列を とする。数列の項は初項から となる。
(1) , を用いて を十進法表記したときの最高位の数字を求めよ。
(2) となる 以上 以下の正整数 の個数を求めよ。
(3) となる 以上 以下の正整数 の個数を求めよ。
第5問は整数の問題です。非常に興味深い問題です。まずは 常用対数の意味と計算(桁数・最高位の数) に関する問題です。基本的な問題ですが,桁が大きいため計算ミスに注意したいですね。
より は 桁である。
また より の最高位の数字は である。
(2) は一見難しいように見えますが,どのようなときに になるのか考えてみると簡単だとわかります。しっかりと (1) が必要になります。
と の桁数が異なるとき,またこのときに限って である。
の桁数が 桁であることから, と の桁数が異なることは 回ある。こうして求めるものは だとわかる。
(3) は難問です。方針は となる 2つで挟んだ の部分列を調べることになります。この部分列をよく見ると活路が見えます。
となるある について, となる より大きい のうち最小のものを とする。
のとき, は か のいずれかである。
のとき, は か のいずれかである。
のとき, は か のいずれかである。
のとき, は か のいずれかである。
のとき, は である。
こうして とするとき,部分列 は次の パターンである。
(1) より であるため, である。したがって から に は 個現れる。
今, とすれば, の中に として となる部分列が 個存在する。
として となる部分列のうち, を含むものの個数を とおく。上記から部分列に を含むときは部分列の項の数が4,含まないときは項の数が3になることから次の方程式が得られる。
これを解くことにより が得られる。 より, に現れる の個数は, に現れる の個数と等しい。
こうして求める数が だとわかる。
が でなければならないことがわかります。非常に興味深いです。
今回は十進数における の最高位でした。他の進数,例えば六進数であると,どのような であれば同じような手法で となる の個数が求められそうか,考えてみましょう。