k=0∑n(nCk)2=2nCn
例えば
n=3
のとき,6C3=20,(3C0)2+(3C1)2+(3C2)2+(3C3)2=12+32+32+12=20
となり一致しています。2通りの証明を紹介します。
証明1
図のような格子状の道において,(0,0)
から
(n,n)
までの最短経路の数を2通りの方法で数える。
-
n 個の「右」と n 個の「上」を並べる場合の数に等しいので,2nCn 通り。
-
途中で (0,n),(1,n−1),⋯,(n,0) を必ず1つだけ通る。そして,(k,n−k) を通る最短経路の数は,(nCk)2 である。((k,n−k) まで行く方法がnCk 通り,そこから (n,n) まで行く方法も nCk 通り)
よって,目標の式は示された。
証明2
ヴァンデルモンドの畳み込みで証明した式:
k=0∑npCkqCn−k=p+qCn
において,p=n,q=n
とすると,
k=0∑nnCknCn−k=2nCn
を得る。これと
nCn−k=nCk
より目標の式を得る。
変形版
k=0∑nk(nCk)2=2n2nCn
証明
(1+x)2n=(1+x)n(1+x)n=(k=0∑nnCkxk)(k=0∑nnCkxk)
両辺 x で微分する。その際に積の微分公式を使う:
2n(1+x)2n−1=2(k=0∑nnCkxk)(k=1∑nnCkkxk−1)
xn−1 の係数を比較する。左辺は,2n2n−1Cn−1
右辺は,1つめのシグマが k=n−t,2つめのシグマが k=t のとき n 乗が登場するので
2t=1∑nnCtxn−tnCttxt−1
よって,n2n−1Cn−1=t=1∑ntnCt2
これと
2nCn=n!n!(2n)!=(n−1)!n!(2n−1)!×2=22n−1Cn−1
より目標の式を得る。