Thābit ibn Qurra theorem
n を 2 以上の整数とする。
p=3×2n−1−1
q=3×2n−1
r=9×22n−1−1
に対して p,q,r がすべて素数なら (2npq,2nr) は友愛数。
例えば n=2 とすると p=5,q=11,r=71 となりすべて素数です! このとき,2npq=220,2nr=284 になります。これはさきほどの例で見たように友愛数です。
n=3 の場合は r=287=7×41 となり素数ではないので友愛数は得られません。
n=4 の場合は (17296,18416) という友愛数が得られます。
この定理を証明してみましょう。約数の総和を計算するだけですが,計算がやや大変です。よい練習になります。
証明
n≥2 より,p,q,r≥3 である。よって,p,q,r が素数のとき 2,p,q,r はすべて異なる素数である。
約数の総和を地道に計算すると,
S(2npq)−2npq=(1+2+⋯+2n)(1+p)(1+q)−2npq=(2n+1−1)×3×2n−1×3×2n−2npq=9×22n−1(2n+1−1)−2n(3×2n−1−1)(3×2n−1)=9×23n−9×22n−1−9×23n−1−2n+3×22n+3×22n−1=9×23n−1−2n=2nr
もう片方も,
S(2nr)−2nr=(2n+1−1)×9×22n−1−2nr=(2n+1−1)×9×22n−1−9×23n−1+2n=9×23n−9×22n−1−9×23n−1+2n=9×23n−1−9×22n−1+2n=2n(9×22n−1−9×2n−1+1)=2npq
このように,証明は簡単ですが「どうやって見つけたの!」って感じの定理です。