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カントール集合とその性質

更新日時 2021/03/07
カントール集合の定義

区間 [0,1][0,1] から「線分を三等分して真ん中を取り除く」という操作を無限回繰り返して得られる集合をカントール集合という。

カントール集合という不思議な集合を紹介します。

目次
  • カントール集合とは

  • カントール集合の次元

  • カントール集合の測度

  • カントール集合の濃度

カントール集合とは

まず [0,1][0,1] を三等分して真ん中を取り除くと,[0,13][23,1]\left[0,\frac{1}{3}\right]\cup \left[\frac{2}{3},1\right] となります。

カントール集合

さらにそれぞれを三等分して真ん中を取り除くと,

[0,19][29,13][23,79][89,1]\left[0,\frac{1}{9}\right]\cup \left[\frac{2}{9},\frac{1}{3}\right]\cup\left[\frac{2}{3},\frac{7}{9}\right]\cup\left[\frac{8}{9},1\right] となります。

これを無限回繰り返して得られる集合をカントール集合と言います。

区間 [0,1][0,1] 内の実数 xx がカントール集合に属する     \iffxx の三進数展開に 11 が登場しないと表現することもできます。

実際,三進数展開の小数第 kk 位に(はじめて)11 があらわれるものは kk 回目の操作で切り取られます。

カントール集合の次元

カントール集合は自己相似(フラクタル)です。

自分自身を 13\dfrac{1}{3} 倍に縮小したものを 22 つ持ってくれば自分自身を再構成できるので,フラクタル次元(ハウスドルフ次元)は log2log30.63\dfrac{\log 2}{\log 3}\fallingdotseq 0.63 です。線分は1次元なので,線分よりは中身スカスカという感じです。

注:ハウスドルフ次元については,→コッホ曲線の次元,曲線の長さなど

カントール集合の測度

カントール集合のルベーグ測度(大きさのようなもの)は 00 です。区間 [0,1][0,1] から一様ランダムに実数を 11 つ選んだとき,その実数がカントール集合に属している確率は 00 というイメージです。

説明

毎回の操作で「線分の長さの和」は 23\dfrac{2}{3} 倍されていくので,無限回繰り返すと「線分の長さの和」は 00 に収束する。

カントール集合の濃度

カントール集合の濃度は実数の濃度と同じです。ルベーグ測度は 00 であるにもかかわらず,実数全体との間に全単射が存在する(実数と同じくらい要素がたくさんある,カントール集合は非可算集合である)のです。

注:濃度については→集合の濃度と可算無限・非可算無限

証明の概略
  • 実数全体の集合と開区間 (0,1)(0,1) の間には全単射が存在する。y=tanxy=\tan x を適切に縮小,平行移動すれば全単射を構成できる。

  • 開区間 (0,1)(0,1) と閉区間 [0,1][0,1] の間には全単射が存在する。 ベルンシュタインの定理から分かる。→ベルンシュタインの定理とその証明

  • 閉区間 [0,1][0,1] とカントール集合の間には全単射が存在する。 カントール集合に属する実数 xx に対して,xx の三進数展開の 2211 にしたものを二進数表示に持つ実数 yy を対応させる。例えば,
    x=34=23+233+235+=0.20202x=\dfrac{3}{4}=\dfrac{2}{3}+\dfrac{2}{3^3}+\dfrac{2}{3^5}+\cdots=0.20202\cdots(三進数表示) に対して,
    y=0.10101y=0.10101\cdots(二進数表示)=12+123+125+=23=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2^3}+\dfrac{1}{2^5}+\cdots =\dfrac{2}{3} を対応させる。

自分はフラクタルについてあまり詳しくありません。他にも面白いネタがあればご一報ください。

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