入試数学コンテスト第2回第3問解答解説

更新日時 2021/10/30
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  • 第3問 [ベクトル・空間図形]

第3問 [ベクトル・空間図形]

第3問

三次元空間に O(0,0,0),A(3,0,0),B(0,3,0),C(0,0,3)\mathrm{O} (0,0,0), \mathrm{A} (3,0,0), \mathrm{B} (0,3,0), \mathrm{C} (0,0,3) をとる。

(1)

OPundefined=s OAundefined(0s1) \overrightarrow{\mathrm{OP}} = s \ \overrightarrow{\mathrm{OA}} \quad (0 \leqq s \leqq 1)

となる点 P\mathrm{P} をとり, PXundefined1|\overrightarrow{\mathrm{PX}}| \leqq 1 となるような xyxy 平面上の点 X\mathrm{X} をとる。

X\mathrm{X} が存在し得るすべての領域の面積を求めよ。

(2)

OQundefined=s OAundefined+t OBundefined(0s1,0t1) \overrightarrow{\mathrm{OQ}} = s \ \overrightarrow{\mathrm{OA}} + t \ \overrightarrow{\mathrm{OB}} \quad (0 \leqq s \leqq 1, \, 0 \leqq t \leqq 1)

となる点 Q\mathrm{Q} をとり, QYundefined1|\overrightarrow{\mathrm{QY}}| \leqq 1 となるような点 Y\mathrm{Y} をとる。

Y\mathrm{Y} が存在し得るすべての領域の体積を求めよ。

(3)

ORundefined=s OAundefined+t OBundefined+u OCundefined(0s1,0t1,0u1) \overrightarrow{\mathrm{OR}} = s \ \overrightarrow{\mathrm{OA}} + t \ \overrightarrow{\mathrm{OB}} + u \ \overrightarrow{\mathrm{OC}} \quad (0 \leqq s \leqq 1, \, 0 \leqq t \leqq 1, \, 0 \leqq u \leqq 1)

となる点 R\mathrm{R} をとり, RZundefined1|\overrightarrow{\mathrm{RZ}}| \leqq 1 となるような点 Z\mathrm{Z} をとる。

Z\mathrm{Z} が存在し得るすべての領域の体積を求めよ。

第3問は立体図形の問題です。問題文はベクトルで書かれていますが,噛み砕いて解釈すれば,単に球が動いたときの通過領域の面積・体積を求める問題であることがわかると思います。そこに気づきさえすれば,生じる立体をちゃんとイメージしながら解くことで,それほど長い考察をすることなく答えを求めることができます。

まずは(1)です。問題文から,P\mathrm{P} を中心とする半径 11 の球があり,P\mathrm{P} は線分 OA\mathrm{OA} の中を自由自在に動くことができるのでそれにあわせて球が移動する,というイメージができたでしょうか。(1)は xyxy 平面上のみを考えればよいので,xyxy 平面上で球が通った領域の面積を求めます。

第3問(1)

X\mathrm{X} が存在し得る領域を xyxy 平面上で描くと以下の斜線部のようになる:

第3問(1)

この領域の面積は,円一つと長方形に分割してそれぞれの面積を足したものに等しいため,求める面積は π12+23=π+6\begin{aligned} &\pi\cdot 1^2 + 2\cdot 3 \\ &= \pi + 6 \end{aligned}

(2)です。(1)と同様に考えて,問題文より,P\mathrm{P} を中心とする半径 11 の球があり,P\mathrm{P}OAB\mathrm{OAB} を頂点として含む xyxy 平面上の正方形の中を自由自在に動くことができるのでそれにあわせて球が移動する,というイメージをしましょう。イメージができたら,その立体をうまく切り分け,体積を求めます。

第3問(2)

YY が存在し得る領域によってできる立体は,3×3×23\times 3 \times 2 の直方体1つ,半径 1114\dfrac{1}{4} 球が4つ,半径 11 の半円が底面となる高さ 33 の半円柱が4つを組み合わせてできているので,これらの体積をそれぞれ求めて全て足せばよい。

求めたい体積は 332+43π1214×4+π12123×4=22π3+18\begin{aligned} &3\cdot 3 \cdot 2 + \dfrac{4}{3}\pi\cdot 1^2 \cdot \dfrac{1}{4} \times 4 + \pi \cdot 1^2 \cdot \dfrac{1}{2} \cdot 3 \times 4\\ &= \dfrac{22\pi}{3} + 18 \end{aligned}

(3)です。問題文より,P\mathrm{P} を中心とする半径 11 の球があり,P\mathrm{P}OABC\mathrm{OABC} を頂点として含む立方体の中を自由自在に動くことができるのでそれにあわせて球が移動する,というイメージをします。立体が複雑になってくるので,よく注意してイメージしましょう。完成する立体は,立方体の頂点や辺の角張りを丸くしたような図形になります。

第3問(3)

ZZ が存在し得る領域によってできる立体は,3×3×33\times 3 \times 3 の直方体1つ,半径 1118\dfrac{1}{8} 球が8つ(立方体に8つ頂点があることによる),半径 11 の四分円が底面となる高さ 33 の四分円柱が12つ(立方体に12つ辺があることによる),3×3×13\times 3 \times 1 の直方体が6つ(立方体に6つ面があることによる)を組み合わせてできているので,これらの体積をそれぞれ求めて全て足せばよい。

求めたい体積は 333+43π1218×8+π12143×12+331×6=31π3+81\begin{aligned} &3\cdot 3 \cdot 3 + \dfrac{4}{3}\pi\cdot 1^2 \cdot \dfrac{1}{8} \times 8 + \pi \cdot 1^2 \cdot \dfrac{1}{4} \cdot 3 \times 12 + 3\cdot 3 \cdot 1\times 6\\ &= \dfrac{31\pi}{3} + 81 \end{aligned}

ベクトルでかかれた式の解釈ができ,立体図形の把握が得意な人にとっては簡単に感じた問題だったかもしれません。立体図形の把握が苦手な人は,断面を考え,それを積分するという方法で考えることもできます。→積分を用いた面積,体積の求積公式まとめ