第2問
整式 P(x) は (x−1)2 で割った余りが 2x+5 であり, x+1 で割った余りが −5 である。
(1) P(x) を x−1 で割ったときの余りを求めよ。
(2) P(x) を x2−1 で割ったときの余りを求めよ。
(3) P(x) を (x−1)2(x+1) で割ったときの余りを求めよ。
第2問は数2から整式に関する出題です。
基本問題であり、6問セットの中で最も落としてはいけない一題です。
第2問(1)
問題文の条件から
P(x)=(x−1)2A(x)+2x+5(1)
P(x)=(x+1)B(x)−5(2)
を満たす整式 A(x),B(x) が存在する。
式(1)より
P(x)=(x−1)2A(x)+2(x−1)+7
よって余りは7
式(1)(2)を立てることがこの大問のスタート地点です。
整式 P(x) を一次式(x−1)で割るとき, その余りは「一次未満(=定数)」になることも合わせて確認しておきましょう。
第2問(2)
整式 P(x) を x2−1 で割ったときの余りを px+q (p,q:定数)とするとき
P(x)=(x2−1)C(x)+px+q=(x−1)(x+1)C(x)+px+q(3)
を満たす整式 C(x) が存在する。
式(1)および式(3)において x=1 とすると
P(1)=7=p+q(4)
式(2)および式(3)において x=−1 とすると
P(−1)=−5=−p+q(5)
式(4),(5)を解いて
p=6,q=1
よって余りは 6x+1
第2問でも式(3)を立てることがスタート地点です。
x2−1=(x−1)(x+1)
の形に注目して式(1)(2)を活かすことができれば正答できます。
問題文で与えられた情報はそう多くないわけですから, 式(3)を立てた後に式(1)(2)に戻って式を見比べるのは必然的に必要な作業です。
最後に(3)です。
整式 P(x) を三次式 (x−1)2(x+1) で割るとき, その余りの次数は「三次未満」になることも合わせて確認しておきましょう。
すなわち, 高々二次式の整式 R(x) (余り)を用いて,
P(x)=(x−1)2(x+1)D(x)+R(x)
と表すことができます。
さらに, 問題文から整式 P(x) は二次式 (x−1)2 で割ったとき, 余りが 2x+5 であることがわかっています。
第一項 (x−1)2(x+1)D(x) は (x−1)2 で割り切れるので, R(x) を (x−1)2 で割ったときの余りが 2x+5 であることまでわかります。
第2問(3)
問題文から, P(x) は整式 D(x) と定数 a を用いて
P(x)=(x−1)2(x+1)D(x)+a(x−1)2+2x+5(6)
と表せる。
式(2)および式(6)において x=−1 とすると
P(−1)=−5=4a+3∴a=−2
よって余りは
−2(x−1)2+2x+5=−2x2+6x+3
この問題の基本テーマは剰余の定理です。
次の記事を読んで勉強しておきましょう。→剰余の定理