入試数学コンテスト第4回第2問解答解説

第2問[図形と方程式・ベクトル]

第2問

a,ba,b は正の実数とする。xyxy 平面上に曲線 C1:y=(x−a)2C_1: y=(x-a)^2,C2:y=b−x2C_2: y = b-x^2 がある。点 PP を (a,0)(a,0) とする。

以下の問いに答えよ。

(1) C1C_1 と C2C_2 が異なる2つの交点を持つ条件を a,ba,b の不等式により表せ。

(2) 以下 a,ba,b は(1)で求めた条件を満たすものとする。P1,P2P_1,P_2 を C1C_1 と C2C_2 の交点とする。ただし P1P_1 を xx 座標の小さいほうとする。今,bb を固定したとき ∠P1PP2=90∘\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} となるような aa が存在する。bb の値の範囲を求めよ。

(3) 今,∠P1PP2=90∘\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} を満たしているとする。P,P1,P2P,P_1,P_2 を通る円を CC とする。CC と yy 軸の交点の座標を bb を用いて求めよ。

(4) 円 CC の中心を QQ とおく。△OP2Q\triangle OP_2Q が正三角形であるとする。このとき bb の値を求めよ。

第2問は座標平面上の幾何の総合問題です。手が出にくいかもしれませんが,様々の方法で解くことができます。

(1) は判別式を計算する問題です。

第2問 (1)

b−x2=(x−a)2=x2−2ax+a2b-x^2 = (x-a)^2 = x^2 -2ax +a^2 の判別式は D=2b−a2D = 2b - a^2 となる。ゆえに 2b−a2>02b-a^2 >0 である。

次の問題は交点を計算した上で,90∘90^{\circ} という条件をどう活かすかを問いました。やはり 90∘90^{\circ} という条件の使い方には

  1. ベクトルの内積が0
  2. 直線の傾きの積が-1
  3. 三平方の定理の逆
  4. 三角関数の計算

などが思いつきますね。今回は内積を用いるのが良いでしょう。方程式を立てて,aa を bb で表し,aa が実数になるような bb の条件につなげます。

第2問 (2)

x2−2ax+a2=b−x2x^2 -2ax + a^2 =b-x^2 を解くと,x=a±2b−a22x = \dfrac{a\pm \sqrt{2b-a^2}}{2} である。これより C1C_1 と C2C_2 の交点を求めると,(a±2b−a22,b∓a2b−a22)\left(\dfrac{a\pm \sqrt{2b-a^2}}{2},\dfrac{b\mp a\sqrt{2b-a^2}}{2}\right) (複合同順)となる。

条件よりP1(a−2b−a22,b+a2b−a22)P_1 \left(\dfrac{a- \sqrt{2b-a^2}}{2},\dfrac{b+ a\sqrt{2b-a^2}}{2}\right),P2(a+2b−a22,b−a2b−a22)P_2 \left(\dfrac{a+ \sqrt{2b-a^2}}{2},\dfrac{b- a\sqrt{2b-a^2}}{2}\right) である。

PP1→=(−a−2b−a22,b+a2b−a22)PP2→=(−a+2b−a22,b−a2b−a22) \overrightarrow{PP_1} = \left(\dfrac{-a-\sqrt{2b-a^2}}{2}, \dfrac{b+ a\sqrt{2b-a^2}}{2}\right)\\ \overrightarrow{PP_2} = \left(\dfrac{-a+\sqrt{2b-a^2}}{2}, \dfrac{b- a\sqrt{2b-a^2}}{2}\right) である。∠P1PP2=90∘\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} のとき,PP1→⋅PP2→=0\overrightarrow{PP_1} \cdot \overrightarrow{PP_2} = 0 である。 PP1→⋅PP2→=−a−2b−a22⋅−a+2b−a22+b+a2b−a22⋅b−a2b−a22=a2−(2b−a2)4+b2−a2(2b−a2)4=14(a4−2(b−1)a2+b2−2b)=14(a2−b)(a2−b+2)\begin{aligned} \overrightarrow{PP_1} \cdot \overrightarrow{PP_2} &= \dfrac{-a-\sqrt{2b-a^2}}{2} \cdot \dfrac{-a+\sqrt{2b-a^2}}{2} +\dfrac{b+ a\sqrt{2b-a^2}}{2} \cdot \dfrac{b- a\sqrt{2b-a^2}}{2}\\ &= \dfrac{a^2 - (2b-a^2)}{4} + \dfrac{b^2 - a^2(2b-a^2)}{4}\\ &= \dfrac{1}{4} (a^4 - 2(b-1)a^2 +b^2-2b)\\ &= \dfrac{1}{4} (a^2 - b)(a^2 -b+2) \end{aligned} である。

以上より (a2−b)(a2−b+2)=0 (a^2 - b)(a^2 -b+2)=0 を満たす。a2=ba^2 = b のとき PP1→=(0,0)\overrightarrow{PP_1} = (0,0) となるので不適である。ゆえに ∠P1PP2=90∘\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} のとき a2=b−2a^2 = b-2 となる。aa が存在するには b−2b-2 が正になる。したがって求める範囲は b>2b>2 となる。

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次の問題は三角形の外接円と yy 軸の交点を求める問題です。(2) から △PP1P2\triangle PP_1P_2 が直角三角形であることに気付けると,円の中心を簡単に求めることができます。そこから円の方程式を計算し,x=0x=0 を代入してみましょう。

第2問 (3)

CC は △PP1P2\triangle PP_1 P_2 の外接円である。∠P1PP2=90∘\angle P_1 P P_2 = 90^{\circ} より P1P2P_1 P_2 は CC の直径であるため, CC の中心は P1P_1 と P2P_2 の中点である。よってCC の中心は (b−22,b2)\left( \dfrac{\sqrt{b-2}}{2} , \dfrac{b}{2} \right) である。

(x−b−22)2+(y−b2)2=b2+b−24 \left(x-\dfrac{\sqrt{b-2}}{2} \right)^2 + \left( y- \dfrac{b}{2} \right)^2 = \dfrac{b^2+b-2}{4} が CC の式になる。これに x=0x=0 を代入して計算すると b−24+(y−b2)2=b2+b−24(y−b2)2=b24y=b2±b2=0,b\begin{aligned} \dfrac{b-2}{4} + \left( y- \dfrac{b}{2} \right)^2 &= \dfrac{b^2+b-2}{4}\\ \left( y- \dfrac{b}{2} \right)^2 &= \dfrac{b^2}{4}\\ y &= \dfrac{b}{2} \pm \dfrac{b}{2} \\ &= 0,b \end{aligned} が得られる。以上より求めるものは (0,0),(0,b)(0,0),(0,b) である。

pic02

実は方程式を解かなくても点の座標を求めることができます。どのようなアイデアかというと,直線と円の交点が高々2点であることを踏まえて,条件を満たす2点を挙げる方法です。前回の入試数学コンテストの第3問でも,2直線の交点が高々1つであることを用いた論証をしました。このように「高々 nn 個」が分かっている上で,条件を満たす nn 個を見つける方法は覚えておいて良いと思います。

第2問 (3) 別解

CC の中心を QQ とする。Q(b−22,b2)Q \left( \dfrac{\sqrt{b-2}}{2} , \dfrac{b}{2} \right) であった。

OR→=OQ→+PQ→\overrightarrow{OR} = \overrightarrow{OQ} + \overrightarrow{PQ} として RR を定めたとき,RR と PP の中点が QQ であるため,RR は CC 上の点になる。実際に RR を計算すると OR→=OQ→+PQ→=2OQ→−OP→=2(b−22b2)−(b−20)=(b0)\begin{aligned} \overrightarrow{OR} &= \overrightarrow{OQ} + \overrightarrow{PQ}\\ &= 2\overrightarrow{OQ} - \overrightarrow{OP}\\ &=2\begin{pmatrix} \dfrac{\sqrt{b-2}}{2} \\ \dfrac{b}{2} \end{pmatrix} - \begin{pmatrix} \sqrt{b-2}\\0 \end{pmatrix}\\ &= \begin{pmatrix} b\\0 \end{pmatrix} \end{aligned} となる。こうして RR は yy 軸上の点である。

QQ から xx 軸におろした垂線の足を MM とおく。MM は (b−22,0)\left( \dfrac{\sqrt{b-2}}{2} , 0 \right) であり,これは OPOP の中点となっている。 OQ=OM2+MQ2=PM2+MQ2=PQ\begin{aligned} OQ &= \sqrt{OM^2 + MQ^2}\\ &= \sqrt{PM^2 + MQ^2}\\ &= PQ \end{aligned}

したがって OO は CC 上の点である。

以上より (0,0),(0,b)(0,0),(0,b) は CC と yy 軸上にある。 円と直線の交点は高々2つであるため,求めるものは (0,0),(0,b)(0,0),(0,b) である。

pic03

最後の問題は条件が単純ですが,何をするべきか思いつきにくいでしょう。大きく3つの方針が思いつきます。

  1. 三辺の大きさが等しいこと
  2. 1つの角が 60∘60^{\circ} の二等辺三角形
  3. 三角の大きさが等しい

どれをやるにしてもやることが多いように思うかもしれません。しかし (3) から OQ=QP2OQ=QP_2 は従うので,意外とやることは少ないです。1番の方法と2番の方法それぞれの解法を紹介します。

第2問 (4) 1番の方法

(3) より CC は QQ を中心とし,O,P2O,P_2 が円周上にある円であるため,OQ=QP2OQ = QP_2 となる。よって OQ=OP2OQ = OP_2 である bb を求めれば良い。a=b−2a=\sqrt{b-2} のとき,P2P_2 は (b−2+b+22,b−b2−42)\left(\dfrac{\sqrt{b-2}+ \sqrt{b+2}}{2},\dfrac{b- \sqrt{b^2-4}}{2}\right) である。 OQ=OP2OQ2=OP2214(b2+b−2)=(b−2+b+22)2+(b−b2−42)2=12{b2+b−2−(b−1)b2−4}b2+b−2=2(b−1)b2−4\begin{aligned} OQ&=OP_2\\ OQ^2 &= OP_2^2\\ \dfrac{1}{4} (b^2+b-2) &= \left(\dfrac{\sqrt{b-2}+ \sqrt{b+2}}{2}\right)^2 + \left( \dfrac{b- \sqrt{b^2-4}}{2} \right)^2\\ &= \dfrac{1}{2} \{ b^2+b-2 -(b-1) \sqrt{b^2-4} \}\\ b^2+b-2 &= 2(b-1) \sqrt{b^2-4} \end{aligned} ここで b>2b>2 より b−1≠0b-1 \neq 0 であるため,辺々 b−1b-1 で割ると b+2=2b2−4 b+2 = 2 \sqrt{b^2-4} が得られる。辺々を2乗すると b2+4b+4=4b2−163b2+4b−20=0b=−2,103 b^2 + 4b+4 = 4b^2 -16\\ 3b^2 +4b -20 = 0\\ b = -2 ,\dfrac{10}{3} が得られる。b>2b>2 なので b=103b = \dfrac{10}{3} が解となる。

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第2問 (4) 2番の方法

条件から ∠QOP2=60∘\angle QOP_2 = 60^{\circ} である。OQOQ と xx 軸の成す角を ϕ\phi,OP2OP_2 と xx 軸の成す角を θ\theta とおく。Q(b−22,b2)Q \left( \dfrac{\sqrt{b-2}}{2} , \dfrac{b}{2} \right),P2(b−2+b+22,b−b2−42)P_2 \left(\dfrac{\sqrt{b-2}+\sqrt{b+2}}{2} , \dfrac{b-\sqrt{b^2-4}}{2}\right) であることから, tan⁡ϕ=bb−2tan⁡θ=b−b2−4b−2+b+2 \tan \phi = \dfrac{b}{\sqrt{b-2}}\\ \tan \theta = \dfrac{b-\sqrt{b^2-4}}{\sqrt{b-2}+\sqrt{b+2}} である。 tan⁡(ϕ−θ)=bb−2−b−b2−4b−2+b+21+bb−2b−b2−4b−2+b+2=(b+2+b−2)b−(b−b2−4)b−2b−2+b2−4+b2−bb2−4=2(b−1)b+2(b−1)(b+2−b2−4)=2b+2−b−2\begin{aligned} &\tan (\phi - \theta)\\ &= \dfrac{\dfrac{b}{\sqrt{b-2}}-\dfrac{b-\sqrt{b^2-4}}{\sqrt{b-2}+\sqrt{b+2}}}{1+\dfrac{b}{\sqrt{b-2}} \dfrac{b-\sqrt{b^2-4}}{\sqrt{b-2}+\sqrt{b+2}}}\\ &= \dfrac{(\sqrt{b+2}+\sqrt{b-2})b - (b-\sqrt{b^2-4})\sqrt{b-2}}{b-2+\sqrt{b^2-4}+b^2-b\sqrt{b^2-4}}\\ &= \dfrac{2(b-1)\sqrt{b+2}}{(b-1)(b+2-\sqrt{b^2-4})}\\ &= \dfrac{2}{\sqrt{b+2}-\sqrt{b-2}} \end{aligned} が得られる。 条件より ϕ−θ=±60∘\phi - \theta = \pm 60^{\circ} である。(ϕ\phi と θ\theta の大小関係は分かっていないため ±\pm をつけた。) よって 2b+2−b−2=±3 \dfrac{2}{\sqrt{b+2}-\sqrt{b-2}} = \pm \sqrt{3} を解けば良い。辺々を2乗し整理すると 43=2b−2b2−43b−2=3b2−4 \dfrac{4}{3} = 2b-2\sqrt{b^2-4}\\ 3b-2 = 3\sqrt{b^2-4} である。さらにこれの辺々を2乗することで 9b2−12b+4=9b2−3612b=40b=103 9b^2 - 12b +4 = 9b^2 -36\\ 12b = 40\\ b=\dfrac{10}{3} が得られる。実際 b=103b = \dfrac{10}{3} は最初の方程式を満たす。よってこれが解となる。

pic05

意外と答えはすっきりした数になります。

配点 25点

(1) [4点]

2b−a2>0 2b-a^2 >0

(2) [5点]

b>2 b>2

(3) [各3点]

(0,0),(0,b) (0,0),(0,b)

(4) [10点]

b=103 b = \dfrac{10}{3}