助動詞を使った英語の慣用表現一覧|意味や使い方、表現の覚え方までまとめて解説

英語では、助動詞を使って話し手の判断や様々な気持ちを表します。

助動詞の基本的なルールについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

以下の記事では、助動詞を使った慣用表現について解説していきます。

助動詞の慣用表現一覧

下の表は、この記事で紹介する助動詞の慣用表現を一覧にしたものです。初めに目を通しておきましょう。

慣用表現 意味
would like / 'd like ~が欲しい
would like to do
'd like to do
~したい
would ['d] rather do ~ (than do …) (…するよりは)むしろ~したい
would (often) do (よく)~したものだ
may well do たぶん~だろう
~するのも当然だ
might [may] as well do ~した方がいいのでは
~でもしようかな
might [may] as well V₁ as V₂ V₁するのはV₂するようなものだ
V₂するくらいならV₁した方がましだ
had better do ~すべきだ
~しなさい
have only to do
only have to do
~しさえすればよい
All S have to do is (to) do Sは~しさえすればよい
cannot do enough
connot do too much
いくら〜してもしすぎることはない
cannot help doing
cannot help but do
cannot but do
~しないではいられない
cannot possibly do どうしても〜できない
I dare say … 恐らく…だろう
How dare you do …? よくもまあ…できるものだ

would を使った慣用表現

まずは would を使った慣用表現を見ていきましょう。

なお、would についてはこちらの記事の中で詳しく解説しています。

would like / 'd like

~が欲しい」という意味の慣用表現です。want より控えめで丁寧な言い方になります。

(1) I 'd like two tickets.
チケットを2枚欲しいのですが。

(2) “Would you like a cup of coffee?”
“Yes, please.” / “No, thanks.”
「コーヒーを1杯いかがですか?」
「はい、お願いします。」/ 「いいえ、結構です。」

(2)の Would you like ~? は「~はいかがですか?」という意味になり、相手に丁寧に物を勧める際に使用します。

would like to do / 'd like to do

~したい」という意味の慣用表現です。do の部分には動詞の原形が入ります。

want to do より控えめで丁寧な言い方になります。

(3) I 'd like to make a reservation.
予約をしたいのですが。

(4) Would you like to come with me?
一緒においでになりますか?

(4)の Would you like to ~? は「~するのはいかがですか?」という意味になり、相手の意向を尋ねたり、何かを勧める際に使用します。

would ['d] rather do ~ (than do …)

(どちらかと言えば)~したい」という意味の慣用表現です。than do が続くと「…するよりはむしろ~したい」という意味になります。do の部分には動詞の原形が入ります。

(5) I 'd rather stay home (than go out).
私は(外出するよりも)むしろ家にいたい。

(6) I 'd rather not go out today.
どちらかと言えば今日は外出したくない。

(6)のように would ['d] rather not do とすると「どちらかと言えば~したくない」という意味になります。

would (often) do

would (often) は「(よく)~したものだ」という過去の習慣を表します。

(7) We would (often) go to the movies on weekends.
私たちは週末に(よく)映画を見に行ったものだ。

なお、「過去の習慣」は used to を使って表すこともできます。詳しい説明についてはこちらの記事をご覧ください。

may / might を使った慣用表現

次は may / might を使った慣用表現です。

may / might についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

may well do

たぶん~だろう」「~するのも当然だ」という意味の慣用表現です。may 単独よりも確信度の高い推量を意味します。

(8) It may well snow tonight.
今夜はたぶん雪だろう。

(9) You may well be surprised at the news.
あなたがそのニュースを聞いて驚くのも当然だ。

might [may] as well do

~した方がいいのでは」「~でもしようかな」「それも悪くない」などを意味する慣用表現です。

この表現には「してもしなくてもどちらでもいい」というニュアンスが含まれています。

may も使えますが、might の方が好まれます。

(10) You might [may] as well wait for her.
彼女を待った方がいいんじゃないかな。

(11) I might [may] as well go home. I have nothing to do at school.
家に帰ろうかな。学校でやることもないし。

(12) “Shall we go to the movies?” “Might [may] as well.
「映画を観に行こうか?」「それも悪くないね。」

(12)のように、返答においては主語と動詞がしばしば省略されます。

might [may] as well V₁ as V₂

V₁するのはV₂するようなものだ」「「V₂するくらいならV₁した方がましだ」という意味の慣用表現です。

(13) I might [may] as well walk from here as wait for the bus for a long time.
長い時間バスを待つくらいならここから歩いたほうがましだ。

(14) You might as well throw money away as lend it to him.
彼にお金を貸すくらいなら捨てた方がましだ。

(14)のように現実性がうすい内容を表す場合、may は使えません

have / had を使った慣用表現

次は have / had を使った慣用表現です。

had better do

had better忠告命令の意味を表します。また、話し言葉では通常 had が短縮され、 'd better となります。

(15) We 'd better get some rest.
私たちは少し休んだ方がいい。

(16) You 'd better do your homework.
あなたは宿題をすべきだ。

(17) He 'd better stay where he is.
彼は今いるところにとどまるべきだ。

(18) Tom, you 'd better apologize to your Dad.
トム、お父さんに謝りなさい。

had better は (15) (16) (17) のように、一人称・二人称・三人称を主語として「~すべきだ」「~した方がよい」という意味を表します。

また、(18)のように、二人称を主語として「~しなさい」という命令の意味でも使われます。

had better と should の違い

had bettershould はともに「~すべきだ」と訳されることが多いですが、ニュアンスはかなり違います。

should は「当然の行動」を意味する表現で、強制や命令の意味合いはありません。

一方、had better には「~しないと大変なことになる」という意味が含まれており、強制や命令の意味合いが強くなります。

had better についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

have only to do / only have to do

have only to / only have to は「have to(~しなければならない)」と「only(ただ~だけ)」を組み合わせた表現で「~しさえすればよい」という意味になります。

(19) You have only to do what you are told.
= You only have to do what you are told.
あなたは言われたことをしさえすればよい。

All S have to do is (to) do

Sは~しさえすればよい」という意味の慣用表現です。直訳すると「Sがするべきすべてのことは~することだ」となります。

(20) All you have to do is (to) sit there.
あなたはただそこに座っていればよい。

is の後の to は省略可能ですが、省略した場合も動詞の原形が後に続きます。

can を使った慣用表現

次は can を使った慣用表現です。

can についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

cannot do enough / cannot do too much

いくら~してもしすぎることはない」という意味の慣用表現です。

(21) I cannot respect him enough.
= I cannot respect him too much.
いくら彼のことを尊敬してもしすぎることはない。

cannot help doing / cannot help but do / cannot but do

~しないではいられない」という意味の慣用表現です。doing の部分には動名詞が、do の部分には動詞の原形が入ります。

(22) I cannot help crying when I read this book.
= I cannot help but cry when I read this book.
= I cannot but cry when I read this book.
この本を読むと泣かずにはいられない。

また、
cannot do without doing(~すれば必ず~する)
という表現で似た意味を表すことができます。

(23) I cannot read this book without crying.
この本を読むと必ず泣いてします。

cannot possibly do

どうしても~できない」という意味の慣用表現です。

(24) I cannot possibly come tomorrow.
私は明日どうしても来られません。

dare を使った慣用表現

最後に dare を使った慣用表現を紹介します。dare は「思い切って~する」「~する勇気がある」という意味の助動詞です。(一般動詞としての用法もあります。)

I dare say …

恐らく…だろう」という意味の慣用表現です。「あえて言うなら」というニュアンスになります。

(25) I dare say you’re right.
恐らくあなたの言うことは正しいでしょう。

How dare you do …?

よくもまあ…できるものだ」という意味の慣用表現で、いらだちや憤慨を表します。文末には、疑問符の代わりにピリオドや感嘆符を使うこともあります。

(26) How dare you say such a thing to me!
私に向かってよくもまあそんなことが言えるものだ!

練習問題

最後に練習問題を解いてみましょう。

練習問題

問1 次の和文を英訳しなさい。
私は泳ぐよりはむしろゴルフがしたい。

問2 次の英文を正しい文に直しなさい。
I may as well talk to a wall as talk to her.
彼女と話すくらいなら壁と話す方がましだ。

問3 次の英文を正しい文に直しなさい。
I cannot help but laughing at this.
これを見ると笑わずにはいられない。

解答

問1
I’d rather play golf than swim.

問2
I might as well talk to a wall as talk to her.
(解説)
「壁と話す」ことは現実的にはありえないので、現実性がうすい内容を表す might を使う。

問3
I cannot help laughing at this. / I cannot help but laugh at this. / I cannot but laugh at this.

慣用表現は例文と一緒に覚えるのがお勧めです。